<5>ビジュアライゼーション技術がもたらすもの
■VR/ARの課題
VR/ARといえば、ゲーム、映画の世界で活用されてきた。NVIDIAは大型の壁、洞窟を利用した投影などプロ用VRをリードしてきた。また、VR用ヘッドセットも続々と登場している。
VR/ARがさらに発展するには、技術的な障壁を超えなければならない。両目それぞれに、2Kや4Kの画像を毎秒90フレームも表示しようとすれば、より大量の高速処理が必要になるのだ。 そのためにも、NVIDIAは、Quadro、Iray、MDLによってVRアプリケーション開発者のためにより強力な開発環境を提供し、VRの進化を加速させたいと考えている。
■VR/ARが作る未来 VR/ARはゲームだけのものでも製造業デザイナーだけのものでもない。それによって消費者も恩恵を受ける。 例えば、車のショールームに行って、自分の家の前や近所でその自動車を置き、走らせてみることができる。映画を観ながら、あなただけの観たい場面に入っていける。『スター・ウォーズ』を観ていて、オビ=ワンと握手する、ということもできる。 バーチャルトレーニング、バーチャル外科手術ということも可能になるだろう。
こうしたVR技術を実現しようとすると、より厳密な正確さが求められ、リアリティの要求水準が非常に高くなる。好きなものを好きな様にデザインできると同時に、その現実的なコスト計算も同時にやってしまう、というような機能も求められるかもしれない。 そして、リアルタイムのレイトレースを組み込み、完全なバーチャルリアリティを実現することがビジュアライゼーションの究極的な目標だ。
- ボブ・ペティー氏
バイス・プレジデント-プロフェッショナルソリューション
ビジュアライゼーション、ハイパフォーマンスコンピューティング、マルチタッチテクノロジーの経験を25年間も積み、今はNVIDIAのプロフェショナルソリューションのバイス・プレジデントとして活躍している。
NVIDIAで務める前はTouchShareのCEOとしての経験もあり、そこではマルチタッチハードウェア会社を地理空間的コラボレーションとビジュアライゼーションを中心とした SaaS ソフトウェア会社へと変身させた。TouchShare の前は Perceptive Pixel の CEO でもあり、 マイクロソフトに買収された時も会社全体を見事に導いた。それ以前には Silicon Graphics にて経営管理に従事。
TEXT & PHOTO 横小路祥仁