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映画『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』でクドカンが描く地獄シーンを支えたVFX表現

映画『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』でクドカンが描く地獄シーンを支えたVFX表現

02 自由な発想が産み出すケレン味のあるエフェクト

放電に浮き出る骸骨

地獄でのシーンの数々には、登場人物たちのハイテンションな演技に合わせて、アイデアとケレン味にあふれたエフェクトが使われたVFXが満載だ。これらのVFXは担当スタッフが楽しみながらアイデアを出し合って制作が進められたという。下に掲載したショットは感電した大助の身体に骨が浮き出るシーンだが、もともと宮藤監督から骨が浮き出るという表現は求められていなかったという。「今回素材がスタッフに渡るのが早かったので、その分時間に余裕も生まれ、スタッフがいろいろと遊び心を発揮してくれています」と道木氏。久村氏も「こちらから提案したアイデアを宮藤監督が喜んでくれるので、とてもモチベーションを高くもって制作できました」と語る。


▲3DCGの骸骨モデルをアニメーションさせた素材



  • ▲放電のグロー素材



  • ▲骨のマスク素材



  • ▲放電のグロー素材その2



  • ▲手描きで作成された放電素材。プラグインで作成したものではない



  • ▲放電のマスク素材



  • ▲実写プレート


▲完成ショット

手描き表現によるエフェクト制作

これまで多くの特撮ヒーロー作品に携わってきた日本映像クリエイティブならではのエフェクトが、下に挙げたようなAfter Effectsのプラグインによるエフェクトに加えて、手描きによるエフェクトが足された放電アニメーションだ。「エフェクトの色や形状なども全て任されていたので、眼から出た光線が地面にあたって爆発しちゃえとか、やりたいようにやらせてもらえました。宮藤監督にも道木さんにも納得してもらえるエフェクトになったので、大変でしたが楽しかった」と久村氏と話す。既製のプラグインでは表現できない荒々しくもケレン味のあるエフェクト表現になっている。

えんまの眼から出た光線が地面に直撃するシーン



  • ▲手描きによって制作されたエフェクトのマスク素材



  • ▲マスク素材を基にTrapcode Particularで加工して作成したグロー用マスク素材



  • ▲それぞれの素材をAEで加工して作成したエフェクトの完成素



  • ▲実写プレート



  • ▲眼の光などのエフェクト素材



  • ▲地面の爆発素材


▲完成ショット

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