<3>Netflixが自負する競合に対する優位性
ーーNetflixが競合とはちがうと、アピールしたい点を教えてください。
ピーターズ氏:いくつかあります。一番大切にしているのは、ユーザーが視聴する時の体験が非常に快適で、品質が高いところがほかのサービスとのちがいです。技術面でも、4K, HDRの映像が観られるのも良いところです。先ほどもお話した、テレビリモコンに搭載したNetflixボタンによってすぐに立ち上がって見られるとか、繋がった時に、すぐにストリーミングが開始され、バッファリングを待たなくてもすぐに観られるのも良いところです。Netflixは視聴体験の快適さをとても重視しています。そして、何と言ってもレコメンデーション機能です。
ーーどのような機能なのでしょう?
ピーターズ氏:個々の視聴者の嗜好にマッチした作品を紹介する機能になります。レコメンデーションはユーザーが使えば使うほど、鍛えられていくものですし、ユーザー本人も思いもしなかったような作品との出会いがNetflixではありえます。知らない作品を試しに観てみたら、すごく気に入った、それはとても特別な瞬間で、素晴らしいコンテンツとの出会いの瞬間を提供できるのもNetflixならではです。
ーーそれは長距離の飛行機に乗って、知らない映画を観るようなものですか?
ピーターズ氏:飛行機で知らない映画を観て、意外と良かった体験と同じようなものです。まさに同じような体験をNetflixでしてもらいたい。幅広い作品ライブラリから、しかもその人の趣味趣向にあった作品を皆さんに提供する。そうすることで、特別な瞬間に、作品に出会える確率が、飛行機で見る映画の偶然よりもさらに高い確率でめぐりあえるのです。
日本市場への意気込みを語るピーターズ氏
ーーそれは試してみたいですね。
ピーターズ氏:今までの映像経験は、録画したものを観る、あらかじめ特定の作品を目当てにする、テレビを点けたときにたまたま流れているもの観るということでした。Netflixではそうした体験ではなく、「どういう感動が待ち受けているのだろう?」というワクワク感をもって、テレビをつける体験がNetflixなのです。
ーー好みをたくわえて推奨してくれるのであれば、家族ひとりひとりの好みがちがった場合はどうなりますか?
ピーターズ氏:Netflixには個人個人のプロフィール機能があります。ひとつのアカウントで、5名のプロフィールをつくることができます(※契約形態によって、同時に視聴可能な数は異なる)。プロフィール機能で自分の好みを貯めていくことができます。家族で観るというプロフィールをつくることもできます。
Netflix のプロフィール登録画面(筆者による撮影)
ーー突然ですが、ピーターズさんが好きな日本の映画監督がいらっしゃれば教えてください。
ピーターズ氏:黒澤明監督、小津安二郎監督は、自分の映画作品に対する考えにすごく影響を与えたと思います。最近の監督であれば、廣木隆一監督、園子温監督の作品も大好きです。Netflixオリジナル『火花』では今回5名の監督が携わっているのですが、廣木隆一監督、白石和彌監督らが、とても素晴らしい手腕を発揮してくれました。機会があれば、ぜひご覧ください。
Netflixオリジナルドラマ『火花』予告編(60秒Ver)
www.hibana-netflix.jp
ーー最後に日本の映像制作者たちへのメッセージをいただけますか?
ピーターズ氏:われわれは日本のクリエイターが作品つくりできる機会ができるよう、一生懸命働いています。日本のクリエイターの皆さんが良い作品づくりができる新しい機会がつくれるよう、力を注いでいますので、チャンスに挑戦してみてください。夢は大きくもって、一緒に作品がつくれるようがんばりましょう!