>   >  『キングダム』原 泰久氏が「KYUSHU CEDEC 2015」で母校に凱旋。松山洋氏(サイバーコネクトツー代表取締役)と対談
『キングダム』原 泰久氏が「KYUSHU CEDEC 2015」で母校に凱旋。松山洋氏(サイバーコネクトツー代表取締役)と対談

『キングダム』原 泰久氏が「KYUSHU CEDEC 2015」で母校に凱旋。松山洋氏(サイバーコネクトツー代表取締役)と対談

<2>ヒットの実感は『アメトーーク!』?

『キングダム』原 泰久-特別講演@KYUSHU CEDEC 2015

▲自身が考える『キングダム』ヒットの要因は?

2012年からアニメの放送もあった『キングダム』だが、意外にもヒットを実感したのは、今年5月28日(木)に『アメトーーク!』(テレビ朝日)で放送された時なのだとか(松山氏が冒頭で"大好き芸人"と挨拶した所以)。

原氏は「担当さんと10年ねばって、『良いものを描いてるんだけど、何で売れないのかなぁ?』と2人で言いながら。他の作品でもねばって何かのキッカケで急に売れるってのがあるから、とりあえず良いのを描き続けるしかない。そのねばり腰のご褒美が『アメトーーク!』。少しずつ売れていたけど、やっぱりヒットしたのは『アメトーーク!』に出演したことで、認知度が上がった」と胸をなでおろす。「地道にやるのが良い。ヒットするのは難しい。ねらっていくのはなかなか上手くいかない気がする」と慎重だ。

『キングダム』原 泰久-特別講演@KYUSHU CEDEC 2015

▲福岡で仕事をすること

原氏の出身は福岡に近い佐賀県三養基郡基山町。2013年には「基山町ふるさと大使」に任命された。昨春からは福岡で執筆活動を行なっている。
「去年の1月に思い立って4月に引っ越しました。基本は部屋の中で、紙と鉛筆とペンがあればいいんで、僕のやることはそんなに変わらない」という。

連載には一部デジタルも導入しているものの、「東京から移ってくるときも『できるんじゃないか?』と思ってやってみたら全然ダメで......。網掛けの掠れたような薄い線に長年の全ての技量が詰まっいて、それがデジタルだと潰れてしまう。データのやりとりで劣化していくのがすごく嫌で、編集部に宅急便で送って、それを返してもらって、それを仕上げてまた送る」と、難渋している様子。

アシスタントの採用には、「福岡にもスタッフはいるけど成長待ち。東京には3人いるけど1人は毎週飛行機で福岡に来てもらっている。福岡のスタッフは現地採用で若い人材を採用。1人を採用してベテランが育てるようなところ、いきなり4人も来たのでキツかった(苦笑)。今は技量が上がってきたようでだいぶ落ち着いた。」と、人材育成についても語った。

そのほかにも「松山 洋が選ぶ『キングダム』のここがすごい!」や来場者からの質問で原氏と松山氏の対談は盛り上がった。

<3>南からもエンターテインメント産業を盛り上げていきたい

『キングダム』原 泰久-特別講演@KYUSHU CEDEC 2015

▲先立つ開会式で挨拶する松山氏

「KYUSHU CEDEC 2015」を実行委員長として指揮した松山氏は、開会式にて「果たしてどれだけの人が集まってくれるだろうか。どれだけの人が勉強したいと思ってくれるだろうか。なかなか未知数だった」との不安を明らかにしていたものの、「九州大学という立地もあり、500人を目標に集客で動いてきたけど、結果的に申込者数は800人を超えている。たくさんの人たちが勉強したい、交流したいと思ってるということを、単純に、素直に、誇らしく思う」と感謝していた。

これまで松山氏は横浜の本家CEDECでも運営委員として携わってきている。「ほんの10年前、横浜でも1,000人とか2,000人規模だった。あれから10年立って、6000人を超える人たちが集まって開催されるようになっている。九州は非常に良いスタートが切れたと思っている」と安堵。
「南からエンターテイメント産業を盛り上げていけるように。なかなか地元で顔を合わせて一緒に勉強できる機会はないと思うし、これから定期開催をしていけたらと思う」と、手応えを感じていた。

TEXT & PHOTO_真狩祐志

■関連リンク
KYUSHU CEDEC 2015:http://kyushucedec.jp/

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