【サイコム】Unreal Engine 5のパフォーマンスが劇的に向上。CafeGroupクリエイターが実力を試す「Lepton Motion Pro X870/A」

AI時代の到来によって、作業PCの見直しを考えているクリエイターも多いのではないだろうか?
今回は、CafeGroupのテクニカル・アーティストたちがサイコムのクリエイターPC「Lepton Motion Pro X870/A」を検証。高負荷の作業でも安定して高いパフォーマンスと静音性を保つという本機の魅力に迫る。

CafeGroup
ModelingCafeとAnimationCafeが2025年3月1日付で経営統合して誕生したクリエイティブ集団。デジタルアーティストやエンジニアなど、各分野のスペシャリストたちが有機的に連携することで今までにない新しい価値を提供することを目指している。

多種多様な3DCGワークを行うには、CPUもGPUもハイスペックが必須
——CafeGroupは、映画VFXからAAAタイトルのゲーム開発まで幅広い3DCG制作を手がけていますよね。最近の傾向を教えてください。
Head of Technical Artist 岡田博幸氏(以下、岡田):Unreal Engineなどゲームエンジンを使った案件が着実に増えています。映像作品への利用だけでなく、インタラクティブコンテンツが増えていることが背景にあると思います。
テクニカルディレクター 柴田雅典氏(以下、柴田):新生CafeGroupでは、実績あるエンタメ分野だけでなく、中長期的にはまったく新しい領域でのビジネスの創出も目指しています。
そこで、自分たちTDやTAに限らずAIエンジニアやWebエンジニアなどエンジニアリング全般に取り組んでいくためにテクノロジー・イノベーション部門を新設しました。

——CGの用途をさらに広げようとされているわけですね。そうしたなか、作業マシンのスペックではどの部分を重視していますか?
岡田:TAチームは検証作業も多いし、特に自分の場合は高負荷の作業のヘルプにもよく入っているのでCPUとGPUのどちらもハイスペックを求めています。強いて言えば、VRAMが特に重要ですね。
柴田:TDチームはコーディングが中心なのでグラフィックパワーが必要なケースは少ないのですが、それでもTAチームと一緒に取り組むことが増えているので今回の検証に用意したような重いUEシーンを扱うには相応のスペックが必要です。
岡田:「この案件のためには、これぐらいのスペックのPCが必要」といったこともよくあります。だから既製品ではなく、BTOを利用しています。

——今回レビューしていただいた「Lepton Motion Pro X870/A」はいかがでしたか?
岡田:すごく良かったです。社内にはレンダーサーバもありますが、リアルタイム系はローカルでレンダリングすることが多いので実際の仕事にも使えると嬉しいです。
ArnoldやV-Rayといった主なレンダラは、CPUとGPUのどちらにも対応しています。またHoudiniはXPUアーキテクチャを取り入れ始めています。
ハイスペックかつ、長時間使い続けても安定したパフォーマンスをキープしてくれるのはすごく魅力的です。
<主要スペック>3DCGワークにも最適&スタイリッシュなミドルタワー型

https://www.sycom.co.jp/custom/model?no=000994
今回、両氏がレビューした「Lepton Motion Pro X870/A」は、高速なレンダリング性能を誇る3DCGや映像編集などのクリエイティブワークに特化したミドルタワー型デスクトップPCである。
パフォーマンスだけでなく、サイコムが誇る優れた冷却性&静音性、さらにクリエイターモデルとして、スタイリッシュなデザインにもこだわった製品だ。
今回は、岡田氏と柴田氏が普段の業務に使用しているPCとUE5のパフォーマンスを比較してもらった。
Lepton Motion Pro X870/A ※カスタム仕様
- OS
Windows 11 Pro
- CPU
AMD Ryzen 9 9950X3D
- GPU
MSI GeForce RTX 5090 32G VENTUS 3X OC
- メモリ
256GB (Crucial Pro DDR5-5600)
- ストレージ
Crucial T500 CT2000T500SSD8 (M.2 PCI-E Gen4 SSD 2TB)
岡田氏のPC
- OS
Windows 11 Pro
- CPU
AMD Ryzen 9 7950X3D
- GPU
NVIDIA GeForce RTX 4090 24G
- メモリ
128GB(DD4-3200)
- ストレージ
WD Blue SA510(2.5 SATA 2TB)
柴田氏のPC
- OS
Windows 11 Pro
- CPU
AMD Ryzen 9 5900X
- GPU
NVIDIA GeForce RTX 3060 12G
- メモリ
128GB(DD4-3200)
- ストレージ
WD Blue SN570(M.2 PCI-E Gen3 SSD 2TB)
<検証方法>野外ライブに見立てた500体の群衆から成るUE5のリアルタイム処理を比較
検証に用いたのは、野外フェスをイメージしたUE5シーン。観客に見立てた500体のSkeltal Meshをベースに、大量のライトとエフェクトを加えたかなり高負荷のシーンである。
柴田:高負荷かつ現実的な動作が見込める検証環境となるよう、Skeltal Meshの数を調整し、500を体配置しました。
実は最初は2,000体配置してみたところ、重すぎてまともに動かすこともできませんでした(苦笑)
500体に減らした上で、さらに落ち影を丸影に変えたり、プラグインAnimation Sharingも利用して最適化しました。

<所感>ハイパフォーマンスを安定して継続&高負荷の処理でも静か
パフォーマンス結果は下表の通り。GPUとCPU共にLepton Motion Pro X870/Aがベストスコアを叩き出した。
柴田:僕の作業PCのGPUがRTX 3060ということもあって比べものにならないぐらい高速でした。
(CPUの)Gameスレッドのフレームタイムも優秀で、岡田の使っているマシンよりも2倍ぐらい速かった印象です。
平均GPUフレームタイム

平均CPUフレームタイム

岡田:パフォーマンスだけでなく、静音性にも感心しました。
重い作業をしているときもファンの音が大きくならないし、熱気を感じることもありませんでした。ガラスケース越しに見える配線も綺麗でこだわりを感じます。

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株式会社サイコム
TEL:048-994-6070
e-mail:pc-order@sycom.co.jp
平日10時~12時、13時~17時(土日祝祭日はお休み)
www.sycom.co.jp
TEXT_NUMAKURA Arihito
EDIT_NUMAKURA Arihito、Mana Okubo(CGWORLD)
PHOTO_弘田 充 / Mitsuru Hirota