ヒント6:有機的なモデルの制作
「ZBrush は、有機的なモデルをスカルプトするときに効果を発揮するツールです。今では、岩のようなオブジェクトなら、ZBrushの基本的な球(sphere)やZSphereから直接モデリングします。ベースシェイプが整うまでダイナメッシュ(DynaMesh)を何度か実行、トポロジをきれいにして、モデルにディテールを追加していきます。また、私はZBrushのレイヤーを使うようにしています。これは非破壊的で優れたワークフローです。作業が終わったら、最終的なオブジェクトをデシメーションマスター(Decimation Master)で間引き、3ds Max / V-Ray で、シーンに彩りを加えます」(Toni Bratincevic氏)
ヒント7:トポロジにこだわりすぎない
「ゲーム用アセットのオブジェクトでなければ、リギングの必要なモデルを除き、トポロジにあまりこだわらない方が良いでしょう。場合によっては、大きな時間の無駄になります。作業を急ぐアーティストの多くは、ZBrush のデシメーションマスター(Decimation master)や[ZRemesher]で最終的なアセットを作ります。トポロジを取り締まる保安官はいません。問題が起こりそうな場所で、適切なトポロジの作成方法を知っておけば大丈夫です」(Alex Alvarez氏)
ヒント8:トポロジにできるだけこだわる(有機的なモデルの場合)
「有機的なモデル(特に顔)では、良いトポロジが素晴らしい結果につながります。メッシュのエッジフローをどう構成するかで、スキンの変形やモーフターゲット時の大きな助けになります。顔のモデルでは、目と口に放射状のエッジループがあるとリファレンスになります。鼻と頬は、これらのリングの収束領域として利用します。できるだけ目に見える三角ポリゴンは避けましょう」(Andrew Hickinbottom氏)
ヒント9:ポーズを探る
「キャラクターのポージングをする際(特に美しいピンナップでは)、シルエットとポーズのアクションラインを考慮しましょう。シンプルで明確なものほど良いでしょう。モデルの魅力的な形状、アングル、カーブを探り、姿勢を調整してより良いものにしてください。腰を傾け体重を片足にかけると、Sカーブのボディが生まれるので、典型的な美しいピンナップポーズとして理想的です」(Andrew Hickinbottom氏)
Andrew氏のモデリングスキルによって生き生きとしています ©Andrew Hickinbottom
ヒント10:先を考え、必要な要素に集中する
「私は、満足いくまでカメラアングルを調整しながら、シンプルな立方体で、シーン内のボリュームを配置していきます。シーンが決まったら、メインオブジェクト、中間モデル、小さなモデルの順にモデリングしていきます。現実味を要するプロジェクトに取り組んでいる際は、制作するディテールの量に妥協しないように心掛けています。モデリング段階は時間と労力を要するため、作業はスマートに行い、カメラアングルで確実に見ることになるエリアのみをカバーするようにしています」(Meny Hilsenrad氏)
まとめ
もちろん、これらのヒントは、特定のプロ・アーティストたちによるワークフローの高速化、プロセスの効率化、無駄を省くための方法論にすぎません。経験から、あなた自身で確立した方法もあるでしょう。制作に一生懸命に取り組み、ベストを尽くしているなら、どんなやり方でもかまいせん。すでに効率化に取り組んでいて、素晴らしいモデルを制作しているのであれば、結局、聞く価値のあるヒントは「繰り返し、試行錯誤を続けること」だけなのかもしれません。
「トポロジを取り締まる保安官はいません。問題が起こりそうな場所で、適切なトポロジの作成方法を知っておけば大丈夫です」(Alex Alvarez氏)
執筆アーティスト(ヒント提供)
Carlos Ortega Elizalde
Luca Nemolato
Jose Alves da Silva
Sergio Mereces
Toni Bratincevic
Andrew Hickinbottom
Alex Alvarez
Meny Hilsenrad
オリジナルURL(英語):
http://www.3dtotal.com/interview/178
翻訳:STUDIO LIZZ(Nao) 編集:3DTotal.jp
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