>   >  東西アニメーション学科の誕生当時について、久保亜美香氏(『おはなしの花』)と石田祐康氏(『フミコの告白』)が語る「ICAF 2015」トークセッション
東西アニメーション学科の誕生当時について、久保亜美香氏(『おはなしの花』)と石田祐康氏(『フミコの告白』)が語る「ICAF 2015」トークセッション

東西アニメーション学科の誕生当時について、久保亜美香氏(『おはなしの花』)と石田祐康氏(『フミコの告白』)が語る「ICAF 2015」トークセッション

<2>卒業後の活躍について

在学中に、久保氏は『おはなしの花』(英題:Bloomed Words)、石田氏は『フミコの告白』で話題に。1年生の頃から任天堂ゲームセミナーに通っていたという久保氏は、『おはなしの花』の制作について「ゲームをつくってきた3年間と、押井 守監督の『立喰師列伝』に携わらせていただいたりした集大成として作りました」と述懐した。

『おはなしの花』

一方の石田氏は2回生の時にすでに卒業制作で『rain town』をつくることを決めており、「3回生のときは『rain town』の制作に時間を使いたかったんですけど、友達の誘いで(『フミコの告白』を)やらなきゃならなくなりました」と明かした。
「そんなに悠長につくってられないからと、キャラクター、背景、3DCGの使える人材を探しました。1回生は入学したてですが、カメラマップをやらせたら案の定ハマって、卒業後、監督を務めた『陽なたのアオシグレ』の制作時も、スタッフになってくれました」。

『フミコの告白』

現在、久保氏は自身が起業した株式会社スーパーミルクカウの代表を務め、石田氏は株式会社スタジオコロリドに所属している。
「『おはなしの花』で受賞させていただいて、覚悟ができないままフリーランスになってしまった」と久保氏。覚悟を決めるために2009年からフランス、アメリカに滞在、帰国後はCALF STUDIOでプロデューサーを経験した。「自分がディレクターをやってた時にわからなかった、プロデュースの大変さや制作進行のありがたさなどがわかって、自分の会社を起ち上げることにもつながりました」。

ICAF レトロスペクティブ! トークセッション

久保氏の作品紹介

石田氏は研究生として在学を続けていたところ、大学の教授でもある杉井ギサブロー監督から『グスコーブドリの伝記』の制作に誘われた。その終盤で、スタジオコロリドからメールが来たという。
「学生の頃に考えていた、そのままガチガチの商業アニメの方面に行くべきかどうかという迷いに対して、ちょうど自分がスタジオコロリドでやるのは良いんじゃないのかと思えたので入社しました」。こうして制作することになったのが先の『陽なたのアオシグレ』だったというわけだ。

ICAF レトロスペクティブ! トークセッション

石田氏の作品紹介

久保氏の会社が現在、特に力を入れているのはニュースサイト「tampen.jp」である。「今のところどんなニュースも扱うことになっているので、こんな小さなところで上映会が開催されますといった情報や、新作をつくりました、とひとことメールでいただけたら記事にします」とアピール。

一方、石田氏が所属するスタジオコロリドでは、新井陽次郎監督の『台風のノルダ』からフジテレビとの協力体制に入っている。「集団制作が基本になってくると、様々な人の都合だったり事情だったりといった価値観が合わないといけないので、どれだけ同じ方向を向けるかに相当気を遣わなければなりません」と、石田氏は新たな悩みを覗かせていた。

TEXT & PHOTO_真狩祐志


  • ICAF レトロスペクティブ! トークセッション
  • 「ICAF 2015」
    2015年8月28日(金)~31日(月)
    場所:国立新美術館入場無料
    地方上映:
    金沢 会期:11月7 日(土)8日(日)場所:金沢シネモンド
    京都 会期:11月27日(金)~29日(日)場所:現在調整中
    広島 会期:11月28日(土)、29日(日)場所:横川シネマ
    ※その他の地域でも調整中
    主催:Inter College Animation Festival(ICAF)
    共催:日本アニメーション協会(JAA)、日本アニメーション学会(JSAS)
    特別協賛:京楽ピクチャーズ.
    協賛:アドビ システムズ/EIZO/アイケイアイエフプラス/Too/ 白組/日本HP/ ロボット/ブラックマジックデザイン
    www.icaf.info

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