テレビ番組アニメCG部門:最優秀賞『新幹線変形ロボ シンカリオン THE ANIMATION』
テレビ番組アニメCG部門の最優秀賞には、昨年1月から放送中の『新幹線変形ロボ シンカリオン THE ANIMATION』が選出。代表として安田兼盛氏(株式会社小学館ミュージックアンドデジタルエンタテインメント 映像制作事業部)、山野井 創氏(同部所属)が登壇した。優秀賞には『刻刻』、『ひそねとまそたん』が輝いた。
■最優秀賞
新幹線変形ロボ シンカリオン THE ANIMATION
■優秀賞
刻刻
ひそねとまそたん
【夏休み特別総集編】アニメ 新幹線変形ロボ シンカリオン THE ANIMATION 『団らん!! 速杉家とシンカリオン』
「CGディレクターの安田です、『新幹線変形ロボシンカリオン』自体は2014年からPVというかたちでWeb上で展開させていただいたモノで、2018年1月からTVアニメシリーズとして放送させていただいています。弊社はその作品のCG部門を担当しておりまして今も放送は続いておりますので、実際これから職場に帰ってカットの制作をしないといけないという...(笑)。この気持ちにどう決着を付けて仕事に戻るか今から考えております(笑)。ありがとうございました」(安田氏)。
「『シンカリオン』ではCGというより全体の統括をするポジションで仕事をしておりますが、実は私自身がCGソフトを使えない人間なんですね......CGが使えない人間なりにどうやってCGを毎週放送して、かれこれ1年以上続けていますがさらにそれをやり続けられるのかどうか? というのが制作側の使命だと思ってやらせていただいています。これからも引き続き観ていただければと思います」(山野井氏)。
テレビ番組VFX部門:最優秀賞『NHK スペシャル 「人類誕生」』
テレビ番組VFX部門の最優秀賞には『NHK スペシャル 「人類誕生」』が輝き、綿森 勇氏(株式会社Luminous Productions CGディレクター)、本 崇臣氏(株式会社スクウェア・エニックス CGデベロップメントマネージャー)が登壇した。優秀賞には『スペシャルドラマ「荒神」』、『これが恐竜王国ニッポンだ!』と、いずれもNHKの番組が選出される結果となった。
■最優秀賞
NHK スペシャル 「人類誕生」
■優秀賞
スペシャルドラマ「荒神」
これが恐竜王国ニッポンだ!
【人類誕生CG】440万年前の人類は愛妻家でイクメンだった!?【NHKスペシャル×NHK1.5ch】
右から 綿森 勇氏(株式会社Luminous Productions CGディレクター)、本 崇臣氏(株式会社スクウェア・エニックス CGデベロップメントマネージャー)
「この度は素晴らしい賞をいただきまして、誠にありがとうございます。私たちはこの番組の中の10個のエピソードについて、ひとつひとつショートストーリーとして物語を提供させていただきました。そのおかげで世界中から反響がありまして、特に子供たちからからいろいろなコメントをいただき、世界中に伝わって良かったなと思っております。それに加えて、技術の面でもこのような名誉ある賞をいただき、このプロジェクトに関わってくれた多くのスタッフと現地で知り合った多くの友人たちに心から感謝するとともに、代表でこういった賞をいただけることをこの場を借りて御礼申し上げます」(綿森氏)。
「今回のプロジェクトはスクウェア・エニックスとしては今まで取り組んだことのない新しいプロジェクトで、やり方などなかなか難しい問題もありました。それを全てクリアして放映されたということだけでなく、このような素敵な賞までいただいて本当に光栄であります」(本氏)。
劇場公開アニメーション映画部門:最優秀賞『ニンジャバットマン』
劇場公開アニメーション映画部門にて最優秀賞に選ばれたのは『ニンジャバットマン』。代表として水野貴信氏(有限会社神風動画 CGI監督)、澤田覚史氏(株式会社YAMATOWORKS)が登壇した。優秀賞には『スターシップ・トゥルーパーズ レッドプラネット』、『GODZILLA 決戦機動増殖都市』、『ペンギン・ハイウェイ』、『映画HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ』が選ばれた。
■最優秀賞
ニンジャバットマン
■優秀賞
スターシップ・トゥルーパーズ レッドプラネット
GODZILLA 決戦機動増殖都市
ペンギン・ハイウェイ
映画HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ
映画『ニンジャバットマン』 日本用トレーラー<公開日追加ver>【2018年6月15日劇場公開】
「本日は素晴らしい賞をいただきありがとうございました。神風動画は『短くて濃い映像』を得意とするスタジオで15年間、短篇映像をつくり続けてきました。今回ニンジャバットマンのお話をいただいて、その濃さのまま長い作品がつくれるのか?という大きな課題がありまして。そこでYAMATOWORKSさんやその他大勢の方にご協力いただき何とかつくり上げることができたと思っております」(水野氏)。
「ニンジャバットマンは神風動画さんからお話をいただいて、神風動画さんの得意とするルックのまま長編をつくるということで、僕らからは長編のノウハウを、神風動画さんからは神風動画さんらしいテイストを合わせ、本当にいろいろな会社さんやスタッフの方に手伝っていただいて何とか何とかできたという感じの作品で、このような素晴らしい賞をいただけて大変嬉しいです」(澤田氏)。
劇場公開実写映画部門:最優秀賞『DESTINY 鎌倉ものがたり』
劇場公開実写映画部門では、『DESTINY 鎌倉ものがたり』が最優秀賞に輝いた。代表として渋谷 紀世子氏(株式会社白組 調布スタジオ VFXディレクター)が登壇。優秀賞は『いぬやしき』、『北の桜守』、『ホーンテッドテンプル 顔のない男の記録』という結果となった。
■最優秀賞
DESTINY 鎌倉ものがたり
■優秀賞
いぬやしき
北の桜守
ホーンテッドテンプル 顔のない男の記録
「DESTINY 鎌倉ものがたり」予告2
「ちょっと受賞するとは本当に思っていなかったので(笑)、あまり何も考えていなかったのですが。この賞は私の後ろにいっぱいいるスタッフが総力を挙げて頑張ってくれたおかげで取れた賞だと思っています。今回この作品は日本ではなかなか馴染みがない、本当に純粋なファンタジーを映像化するということで、どういった表現をしていくと面白いだろうか? 魅力のある画になるか? というのを皆でいろいろと検討しながらつくっていった作品です。そういう意味ではこちらの賞をいただけてすごく嬉しいです。どうもありがとうございました」(渋谷氏)。
2013年に第1回が開催されてから7回目となる本年のVFX-JAPANアワード。優秀賞にはCGという分野を超え広く映像として世の中に発信され評価されている錚々たる作品群が並び、年々CG・VFXが映像産業に不可欠なものになっていると実感させる内容となった。2016年の先導的視覚効果部門や2018年のテレビ番組アニメCG部門など、時流に合わせて新設される表彰部門が、その進化を物語っている。今後はVRやAR分野のノミネートも増えてくるかもしれない。来年の授賞式が今から楽しみだ。
■開催概要
VFX-JAPAN アワード 2019 表彰式
日時:2019年3月6日(水)18:00~20:00
会場:秋葉原UDXシアター(4F)
vfx-japan.jp