最重要課題は『似ているかどうか』
ゲーム用の3Dモデルはフィギュア用の金型のベースにもなっており、その形状調整も社内で行われた。「そのまま出力したのでは強度が足りず、ポキポキ折れてしまいました。かといって、太くしすぎると版権元から『似ていない』と言われてしまい、最初のフィギュアが完成するまでに3ヶ月を要しました」(齋藤氏)。『似ているかどうか』は本作における最重要課題で、モデリングの指針となるデザイン画は、1ピクセル単位で何度も手が加えられ、その度にモデルもつくり直された。「とにかく顔が大事で、当初は版権元のチェックが全然通りませんでした」(齋藤氏)。その後、版権元の担当者に来社してもらい、描き方の直接指導を受ける機会を設けたことで、ようやくチェックが通るようになった。結局、ゲーム用モデルが完全に仕上がったのは、2019年の秋頃だったという。
何度もつくり直されたマリの3Dモデル
▲テスト映像で使用されたモデル
▲先のモデルを修正したもの。版権元のチェックは通っていなかったが、さらなるモデルの改良と併行して、アニメーション制作も進められた
▲版権元の担当者による直接指導を経て完成したデザイン画
▲完成モデル。先のデザイン画を指針とし、アニメーターの意見もふまえ、トポロジー構造も含めて一新された
▲バトルパートの完成映像。先の完成モデルを使用している
▲ゲーム用のモデルはフィギュア用の金型のベースにもなっているため、【上】ゲーム内のポーズが【下】フィギュアでも再現されている
「- No.1 - マリ篇」は以上です。『エヴァ』らしい画づくりを目指した試行錯誤の数々にスポットを当てた「- No.2 - シンジ&ミサト篇」は、以下よりご覧いただけます。
cgworld.jp/feature/202012-evabf2.html
©カラー ©EVABF
info.
-
-
『エヴァンゲリオン バトルフィールズ』
ジャンル:シネマティック3Dバトルゲーム
価格:基本無料/一部アイテム課金
対応OS:iOS 13~/Android 6.0~ 32bit非対応
※一部非対応機種あり
evabf.jp
-
-
月刊CGWORLD + digital video vol.264(2020年8月号)
第1特集:Unity最新ビジュアル表現
第2特集:視線を釘付けにするモーショングラフィックス
定価:1,540円(税込)
判型:A4ワイド
総ページ数:128
発売日:2020年7月10日
cgworld.jp/magazine/cgw264.html