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就活を目的としたゲームジャム「第2回クリエイター・トライアウト in 東京」が開催

就活を目的としたゲームジャム「第2回クリエイター・トライアウト in 東京」が開催

2−5.【Eチーム】『ぶすっとパラサイト』

食物連鎖をテーマにしたゲームで、主人公のスライムを操作して、ウサギ・ハリネズミと寄生を繰り返し、最終的にライオンに寄生することが目的。ゲームは横スクロールのアクションゲームで、動物をジャンプして避けたり、連打して寄生したりしながら進めていく。直接的な残酷描写は苦手だが、少しは興味があるというユーザーを対象に、カジュアルさと気持ち悪さがブレンドした、シュールな世界観を特徴としている。

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『ぶすっとパラサイト』デモ画面

当初はスライムを操作してウサギに寄生するチュートリアルを盛り込む予定だったが、時間不足でかなわず、残念ながらスライムが登場しないゲームになってしまった。これに対して質疑応答でもゲームのわかりにくさや、スマートフォン向けのゲームにもかかわらず、画面を連打させることの齟齬について指摘がなされた。また大衆性を意識したビジュアルデザインの重要性についてもコメントが聞かれた。

第2回クリエイター・トライアウト in 東京

Eチームの面々

2−6.【Fチーム】『いえ、でたーい』

『およげ!たいやきくん』をモチーフとしたゲームで、たいやきを上下に操作しながら、碇や岩といった障害物を避け、あんこを食べてエネルギーを貯めていく。海中でたいやきの速度は自動的に上がっていき、障害物に当たると低下する。その後タイミング良くマウスをクリックしながら海面をホッピングさせて、飛距離を競う。プレイヤーのスキル次第で飛距離を伸ばしていける。

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『いえ、でたーい』デモ画面

質疑応答では前半の「泳ぐ」パートと後半の「跳ねる」パートでゲームが分断されており、関連性に乏しいという指摘がなされた。また「なぜ海中にあんこがあるのか」「なぜ鯛焼きが飛ぶのか」といった理由付けに乏しく、ユーザー不在でゲームが作られているという指摘もあった。これに対して、もう少し企画の段階でアイディアを出せていれば、プレイヤーにわかりやすくなったと思うという反省が聞かれた。

第2回クリエイター・トライアウト in 東京

Fチームの面々

<3>本当に就活作品として意義のある内容になったか

ひととおりグループ発表が終了すると、AGCJ会長を務めるツェナワークスの佐野浩章氏による総評が行われた。佐野氏は「本イベントのテーマは就職活動だったが、そのための作品制作になっていたのか、今一度ふり返ってみてほしい」と指摘。その後、参加した企業のクリエイターとのディスカッションが始まると、様々なアドバイスが行われた。これに対して学生もメモをとるなどして、熱心に耳を傾けていた。

第2回クリエイター・トライアウト in 東京

佐野浩章AGCJ会長

AGCJによるグループ制作は名称を変えつつ、今回で6回目を迎えた。本イベントに限らず、ゲーム業界の就職活動は混沌としており、学生にとっても何を勉強したら良いのか不明瞭な点が多い。そうした中で、企業と学生が実際のゲームづくりを通してつながることのできる、本イベントのような取り組みは興味深い。時期や内容も含めて、就職活動のスタイルがより多様化していくことを期待したい。

TEXT & PHOTO_小野憲史 / Kenji Ono



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  • 第2回クリエイター・トライアウト in 東京
    開催日:2015年12月14日(月)〜18日(金)5日間
    場所:国立オリンピック記念青少年総合センター
    主催:日本クリエイター育成協会

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