>   >  東雲めぐも参加!今が旬の日本のxRエンジニアが勢揃いした「xR Tech Tokyo #15」レポート
東雲めぐも参加!今が旬の日本のxRエンジニアが勢揃いした「xR Tech Tokyo #15」レポート

東雲めぐも参加!今が旬の日本のxRエンジニアが勢揃いした「xR Tech Tokyo #15」レポート

180度動画でグルメサイトをリプレイス

一戸健宏氏(ミヂカナ)

VR180動画を活用したグルメサイト「eata(イータ)」を運営するミヂカナの一戸健宏氏は「グルメサービス『eata』にVRを取り入れた理由と課題」と題してショートプレゼンを行なった。通常のグルメサイトでは写真を使って料理の紹介が行われているが、本サイトではYouTubeに専用チャンネルを設けてVR180規格の180度動画を配信し、お店の紹介に使用している。視聴者はスマホで料理や店内の様子を確認できる。

"食べたい"を見つけよう、グルメなVRをスマホで簡単に楽しむ方法

一戸氏はVRを導入した理由として、口コミや星の数などではなく、自らの直感と食欲でレストラン選びができるように、より密度の濃い情報を一般向けに提供したかったと語った。これによりユーザーは「初めてのお店でも既視感があり、落ち着ける」。店側も「料理ごとに適した食べ方などを、動画を通して押しつけがましくなく伝えられる」と好評だという。

ただしコンテンツ制作で様々な課題も生じたと述べた。第一に店内が狭く、光量が不足する中で撮影する必要が出たことだ。そのため、できるだけ高感度耐性に優れたビデオカメラを使用する必要があるという。第二に熱に弱い機材が多く、レストランによっては注意が必要だという。「焼肉店で撮影したときは、5~10分で録画がストップしてしまいました」(一戸氏)。

第3にスマホで動画を見るときの姿勢と、実際に食事をするときの姿勢が異なることだ。スマホを操作するときは水平から斜め上を見る姿勢が多いのに対して、食事をするときは前傾姿勢になる。そのため360度動画とは別に、料理が映える動画を別途撮影する必要もあった。このように実際に行なってみると、VRヘッドセット上ではサービスが完結しないことが改めてわかったという。

他に機材によって動画ファイル形式が異なったり(同社では撮影機材にMirage CameraとInsta360 EVOを使用)、動画編集からアップロードまで待機時間が長く、作業が非効率になりがちだったりと、「やってみて初めてわかったことが多い」のが現状だ。一戸氏は「全てに対応するには手と胃袋が足りない」とコメントし、スタッフを絶賛募集中と補足。会場を沸かせて講演を締めくくった。

VR界の大物から学生まで、様々な登壇者が自由に発表

他に「VR ZONE」の展開などで知られるバンダイナムコアミューズメントの小山順一郎氏と田宮幸春氏や、精密測定器機メーカーでxR関連の研究開発を行なっており、趣味でHoloLens対応サーモグラフィを開発したCrispy!氏、歩きスマホならぬ「歩きVR」について研究中の大学院生・小澤健悟氏など、様々な立場の様々な開発事例を共有。終了後も11本のデモが行われた。

個人でつくれるxRデバイス

木材でフレームをつくり、タブレットをはめ込んで制作されたVR HMD。傾きや加速度の検知には市販のセンサが使用されている。左側のデバイスにはガスや放射線測定用のセンサも内蔵されている

AR2Dゲームプラットフォーム

絵画に向けてスマートフォンをかざすと、額縁を検知して、スマホ上で2Dアクションゲームが遊べるというデモ。斜めからかざしてもリアルタイムに適切な台形補正が行われる。絵画の中でゲームを遊んでいるような体験が楽しめる

iOS/Android向けARカメラアプリ「Vismuth」

現実空間にアバターを配置して写真を撮ることができるカメラアプリ。ライティングにこだわるなどして、モデルの実在感を高めている。デフォルトのアバターだけでなく、自作のVRMモデルやVRoid Hubのモデルにも対応している。App Store、Google Play Storeにて配信中

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