ジェットマシンの変形リグで、画になるレイアウトを実現
▲少女の腕・脚と同様に、ジェットマシンにも、各所が伸縮したり、グネグネと曲がったりする変形リグが設定されている
▲例えば珠風のシートには、【上】の本来の位置から、【下】のように長く伸びるリグが設けられた。これもまた、画になるレイアウトを実現するための工夫
▲このシーンでは、本来は変形しない設定のガンナームーブ(シートの両サイドにある棒状のパーツ)やシートを変形させることで、珠風に乗るかぐやがより魅力的に映る画づくりを実現している
▲先のシーン制作時の3ds Maxの作業画面。珠風だけを表示している
▲先の珠風を別のカメラで映したもの。ガンナームーブが左右非対称になっており、のカメラに映っている方(向かって右側)の先端が上に移動している。加えて、本来はガンナームーブに対して平行なはずのシートも大きく傾いている。「アニメのレイアウトでは、画面の手前は広角で、奥は望遠というパース表現が多用されますが、3Dのカメラではそれが再現できず、迫力のない画になりがちです。だから3Dモデルの方を変形させて収まりのいい画にするというケースが多々あり、一連のリグが重宝しました」(廣住氏)
ノウハウの共有が業界の成長と評価につながる
サムライピクチャーズは、アニメに加え、ゲームやVFXなど、多彩なジャンルの3D制作を手がけてきたため、そのノウハウやアイデアは、アニメを専門にしてきたマッドボックスにとって新鮮なものが多く、勉強になったと今垣氏は語った。「自社の使い勝手や撮影さんとの折り合いもあり、手を加えた部分もありますが、教わったノウハウをそのまま使わせてもらった部分も多々ありました。技術は大事な商売道具だと思うので、使用を快諾してくれた姿勢に懐の広さを感じました」(今垣氏)。
これに対し、「安売りしようというわけではないですが、ノウハウを共有することで、より良い3Dをつくれるようになれば、業界全体が成長できるし、われわれの評価にもつながると思っています」と林氏は応えた。実際、本作の3Dは監督に評価され、当初予定よりも3Dの使用カットが増えたという。
「新しい会社とつながることで、画づくりの新しいアイデアが得られることを実感したので、今後もいろいろな会社の方と、お互いに成長できる温度感でご一緒していきたいです。その結果、視聴者が喜んでくださり、作品を応援してもらえたら、多くの人の心が温かくなると思います」(廣住氏)。
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原作:KJG BOOSTERS
原案:高木謙一郎
監督:金子ひらく
シリーズ構成:雑破 業
キャラクター原案:鳴子ハナハル
キャラクターデザイン:宮澤 努
マシンデザイン:麦谷興一(CHOCO)山本七式(SUDACCI)
アニメーション制作:ティー・エヌ・ケー
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