>   >  創刊200号を契機にCGWORLD全体で弾みがついた/編集長の沼倉有人に聞くCGWORLDの2015年
創刊200号を契機にCGWORLD全体で弾みがついた/編集長の沼倉有人に聞くCGWORLDの2015年

創刊200号を契機にCGWORLD全体で弾みがついた/編集長の沼倉有人に聞くCGWORLDの2015年

質を担保しながら領域を広げていきたい

ーーイベントに話を移すと、今年は沼倉さん自身がトークライブの司会をされるなど、前に立って話される機会が増えましたね。

沼倉:本当は裏方に徹したいんですけど、そうも言っていられなくて(笑)。CGWORLD entry Liveやニコ生などの機会が増えました。編集部でもそうした行為を促しています。

ーーイベントの効果をどのように感じられていますか?

沼倉:CGWORLD entry Liveをやっていて良かったのは、学生から「業界の入り方が具体的にわかるようになった」と言われた時ですね。学校の先生方や親御さんの中には、まだまだCGアーティストという職業観が確立されていない方も多いと思うんですよ。そうした意識改革の一つになればいいなと思っています。今後はCGファンの開拓にもつながればいいですね。

ーーCGWORLDクリエイティブカンファレンスも、今年で5回目になりました。

沼倉:毎年秋口に開催しており、年々参加者が増えています。アニメ、映画、CM、ゲームなど、CGの領域はどんどん広がっています。ところが、これらを俯瞰する業界横断的なカンファレンスって、これまでなかったんですよ。さまざまな分野で活躍されているクリエイターの方を一堂に招いて、知見を共有したり、新しい出会いが生まれたり、そうした場に今後もしていきたいですね。

ーーニコニコ生放送も続いていますね。

沼倉:毎月、本誌の発売日付近に行っています。講演と違って視聴者の反応がリアルタイムで見られるところがいいですね。ニコ生ファンの中にはTVを見るような感じで番組を見ている人が一定層います。より幅広い層の人にCGの魅力が伝わる一助になればいいなと思っています。

ーーそれでは最後に2016年にむけての抱負を聞かせてください。

沼倉:本誌・WEBメディア・イベントと、それぞれでクオリティを下げることなく、取り扱う範囲をどんどん広げていければと思っています。2016年1月号(2015年12月10日発売)のデジタル作画はその一つですし、最近では漫画でもメカ物などでCGの活用が見られますよね。その上で、自分たちが作った記事やコンテンツを、できるだけ多くの人に見てもらえるような取り組みをしていきたいと思っています。

TEXT_小野憲史
PHOTO_弘田充

Profileプロフィール

沼倉有人/Arihito Numakura(CGWORLD編集長)

沼倉有人/Arihito Numakura(CGWORLD編集長)

今年を漢字で表現すると『展』

今年は、2月にCGWORLD.jpのリニューアルを実施したのを皮切りに月刊誌の通巻200号達成、Newsstand(iOS)による電子化、CGWORLD大賞など、今までの雑誌としてのメディア事業を、まさに“発展”、“進展”させることができた一年だったので『展』を選びました。こうした取り組みをさらに広げつつ、充実させていけるよう、確かな“展望”へとするべく来年も編集部一同精進していきます。それにしても、字が汚いですね(´Д` )

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