>   >  CGプロダクションの新しい営業スタイル、「展示会を活用する」ということ
CGプロダクションの新しい営業スタイル、「展示会を活用する」ということ

CGプロダクションの新しい営業スタイル、「展示会を活用する」ということ

2.出展の不安を解消する事務局の手厚いサポート

ーーCGCGスタジオとして、どういった経緯で出展を決められたんですか?

小川:人材採用系のイベントには出展していましたが、B to B向けのイベントはこれが初めてでした。CGがますます一般的になっている中で、これまでの枠組みにとらわれず、どのように新しいお客様と接点を持ち、ビジネスを拡大させられるか、会社として問題意識を抱えていたんです。そんなころにリード エグジビション ジャパン様から展示会の説明を受け、出展することに決めました。もっとも、最初は勝手がわからず、かなり不安でしたね。

岡部:そうした不安感を払拭し、出展のサポートをするのも我々の仕事です。ただ出展を促すだけでなく、開催3ヶ月前には出展社向けのセミナーを開催して、成果を出していただくためにどのような準備や心構えが必要か、ノウハウを共有させていただいています。過去に出展された企業様による講演や、体験談の共有なども行われます。

小川:弊社もかなり参考にさせていただきました。初出展される方にはかなり参考になるセミナーですね。

岡部:また、来場者の企業名と役職名を明記したリストを作成し、セミナーで配布させていただいています。業界ごとにどんな企業のどの役職の方が来場されるのか、傾向がつかめますので、このリストだけでも、かなり価値があるのではないでしょうか。他に出展社様に事後アンケートをとり、どのような成果が出たか次年度のセミナーで紹介させていただいています。「スマホ連動コンテンツの制作で1,000万円の商談成立」など、かなり具体的な内容になっているので、社内稟議のための資料にもお役立ていただけると思います。


▲出展社向けの事前セミナーで配布される来場者の企業名と役職名が明記されたリスト。出展社の不安の払拭のため、事務局がさまざまなサポートを行うのもリード エグジビション ジャパンの展示会の特徴だ

ーー出展の成果は出ましたか?

小川:そうですね。2年連続で出展して、数千万円クラスの案件受注につながっています。イベントで名刺交換して、終了後にメールでフォローアップをして、脈がありそうな企業様に対しては挨拶に伺って、そこで新規の企画提案を行なって......など、継続的な営業活動につなげていくことが大切ですね。そうした中から「こんなことはできますか?」と逆提案をいただくこともあります。

ーーどのような準備を心がけていますか?

小川:大きく「事前」、「当日」、「事後」の3つのフェーズで考えています。まず開催前は、会場で登録いただいた方へ無料でモーションキャプチャを行うキャンペーンなどの告知を出し、できるだけ出展を露出するようにします。当日はなるべく多くのお客様に見ていただけるようにブースを工夫しました。企業数を限定して、現場でモーションキャプチャを体験していただけるようにしたのも、その一つです。他にご当地の飴や飲み物を用意して、少しでも沖縄を感じていただけるような工夫もしました。事後は先ほども説明したように、メールや挨拶回りですね。

岡部:CGCGスタジオ様も実践されていますが、綺麗で見やすく情報量の多いブースにするのは、いわば当たり前です。他に招待券やVIP招待券をいつ、どのような客層向けに配布すれば良いかなど、出展にはさまざまなノウハウがあります。ブース内で簡単なイベントやミニセミナーなどを行うのも効果的です。閑散としたブースには誰も足を運びませんが、混雑しているブースほど人が人を呼ぶといった効果もありますからね。

小川:他社ががんばっているのをみると、我々も負けてはいられないと、つい力が入ってしまいますね。ここも展示会ならではの効果だと思います。

ーーどれくらい前から準備をされるのですか?

小川:事前セミナーに出席して、今年の動向や弊社から何が出展できるかも考えつつ、ブースデザインをだんだんと決めていきます。大まかなブースレイアウトは自分で決めてしまいますね。配布物や細部のブースデザインなどは社内のデザイナーにお願いしています。だいたい1ヶ月前くらいからバタバタしてくる感じでしょうか。出展が一つの節目になって、デモリールなどを年ごとに更新しているところもありますね。

ーーなにか特別な展示や施策などは行われましたか?

小川:今年はスマホの漫画サイト「comico PLUS」で展開している弊社のオリジナルコンテンツ『妖怪〆ます♡』を印刷して、紙の漫画形式で読めるようにしたものを出展したりもしました。自社のブースを見学したり、直接お客様とお話しする機会を得て、社内のデザイナーのモチベーションアップにもつながりました。


▲CGCGスタジオがブースで配布したオリジナルコンテンツ『妖怪〆ます♡』の印刷物

岡部:実際、展示会にはさまざまな効用があります。自社のお客様候補に出会える。晴れの舞台に出て、社外の方からさまざまな評価がいただける。社員の皆様にとっても刺激になりますよね。営業の節目として出展される方もいらっしゃいます。何をしたらいいかわからないという方がいたら、出展を通して何を達成したいのか、目的を明確にされるといいですね。

3.2017年はさらに広がりをみせる「コンテンツ東京」

ーー話は変わりますが、「コンテンツ東京」ではさまざまなセミナーが開催されますね。

岡部:会期中に大小あわせて50本近くのセミナーが開催されます。今年はいよいよ日本に上陸したNetflix様に基調講演を行なっていただきました。他にピクサーのCGクリエイターの方や、VR研究で日本の第一人者の方にご講演いただいたりもしました。こうしたセミナーをご覧になるため、さまざまな属性の方が来場されて、その足で出展もご覧になられます。来年度も「コンテンツ東京」ならではの講師陣をそろえたいですね。

ーーCGCGスタジオは来年も出展を決められているのですか?

小川:まさに今日、対談が終わったらその話もできればと思ってきました。今年はVRが活況でしたよね。弊社もそうしたコンテンツ制作を行なっていますので、来年出展するとしたら、なにかしらVRに関するものをお見せしたいですね。(※後日、正式に出展を決定)


▲CGCGスタジオのブースでの商談の様子。普段は付き合いのない業界とも接点を持つことができた

岡部:「先端コンテンツテクノロジー展」ですね。他に今年は「AI・人工知能ワールド」を特設し、非常に盛況でした。そこで来年度は規模を拡大し、「AI・人工知能EXPO」として実施します。

小川:人工知能を活用したさまざまなソリューションが本格的に普及すると、そこで必要とされるコンテンツも、よりニーズが高まりますね。そうした意味でも、さらなる盛り上がりを期待したいですね。

ーー取材する側からすると、個人クリエイターが集結する「クリエイターEXPO」がおもしろくて、つい足を運んでしまいます。アナログからデジタルまで、出展内容の幅が非常に広い点がコンテンツ東京の魅力のようにも感じます。

岡部:ありがとうございます。「クリエイターEXPO」は毎年700名の出展枠があっという間に埋まるんですよ。

小川:我々も出展するだけでなく、もっと会場を回っていろいろな展示を見たいんですよ。実際、近しいブースの出展者同士で名刺交換をしたり、交流をしたりといったことがありますからね。そういう話を聞くと、本当に悩ましいですね。嬉しい悲鳴です。

ーーそれでは来年度に向けて抱負などをお聞かせください。

岡部:コンテンツ東京全体の傾向として、リピーターで出展される方が多いんですよ。コンテンツビジネスという大きな括りで、さまざまな人に出会える場ですので、ぜひ出展していただいて、一緒に盛り上げていただければ嬉しいですね。また今年の特徴として、去年は約30,000人だった来場者が、いきなり約40,000人に増えました。我々も長年展示会をやっていますが、1年で10,000人も来場者が増加した経験はあまりありません。それだけ業界が盛り上がっている証拠ではないでしょうか。来年は48,000人の来場者目標を立てています。そしてゆくゆくはアジア最大のコンテンツショーにしたいと思っています。ぜひお力添えをお願いします。

小川:一般客ではなく、いわゆる「業界関係者」だけで40,000人というのはすごいですよね。それだけ認知度が高まってきたということだと思います。こうした大きな展示会にCG制作会社の立場として出展するというのは、なかなかない機会です。より多くの方々に出会える機会として活用していただきたいですし、我々も活用したいと思っています。


本記事を読んで「映像・CG制作展」の出展に興味を持った方は、以下にてお問い合わせください。

出展検討のための資料請求はこちらから
http://www.creativejapan.jp/ex/

  • Information

    第5回「映像・CG制作展」(「コンテンツ東京2017」内)
    会期:2017年6月28日(水)~6月30日(金)<3日間>
    会場:東京ビッグサイト
    www.creativejapan.jp

Profileプロフィール

小川哲也/Tetsuya Ogawa(CGCGスタジオ)<br /> 岡部憲士/Kenji Okabe(リード エグジビション ジャパン)

小川哲也/Tetsuya Ogawa(CGCGスタジオ)
岡部憲士/Kenji Okabe(リード エグジビション ジャパン)

左から、小川哲也氏(CGCGスタジオ)、岡部憲士氏(リード エグジビション ジャパン)

スペシャルインタビュー