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遊技機映像のプロが解説<br />遊技機向けコンポジットTIPS

遊技機映像のプロが解説
遊技機向けコンポジットTIPS

Topic 5 さらなるクオリティの底上げを目指して

エフェクト作成の様子をビデオ資料に

新たにコンポジット業務を始める新人や他業界から転職する人は、遊技機のエフェクトの特異性に慣れずに戸惑ってしまうことが多い。書籍やWebなどから情報を集める独学では、ツールの使い方は覚えられても遊技機特有の演出のコツをつかむのは難しい。
そこで、当社ではディレクターが制作時の注意点などを実況で説明しながらエフェクトを作成している様子をキャプチャしたビデオを作り、研修に使用している。こうしたチュートリアルビデオはプラグインの基本使用方法から実際に演出を作成する実践編まで、ステップアップできるように数十本を用意している。

技術向上のためのチュートリアルビデオ
作業画面をナレーション付きで説明するチュートリアルビデオ。好きなタイミングで視聴できるので、上司や同僚が指導にあたる時間も削減することができる。これにより、たくさんのスタッフを同時に受け入れることも可能になった

静止画をエフェクトで作り込む

さらに、ディレクションシーズではムービーコンポジット技術向上のために静止画一枚絵をAEで作り込むという技術研究を定期的に行なっている。基本的なパラフレアや被写界深度、逆光、エッジライトの強調、そして、最後にディフュージョンフィルタ処理をして派手で劇的な画になるように処理を入れていく。ディストーションや質感向上などにはGenArtsのビジュアルエフェクトプラグインSapphireを使用している。

技データと研究の積み重ね
(左・元画像)、(右・完成画像)
静止画をAEのエフェクトで作り込んだ例。完成させる工程でできたディフュージョンフィルタや画づくりのアイデアは、次のプロジェクトの参考aepファイル(画づくりのコンセプトを実データ化したもの)を作成する際に役立っている

総括:システム的な部分を補完して作業効率アップ

遊技機特有の限界まで派手にしつつハイディテールに作り込むエフェクトは、遊技機に対しての深い知識と高度なエフェクト作成スキルが必要になる。最近は演出ボリュームの増加に伴い、大人数で同時にエフェクトを作成することも多い。クオリティを統一しつつ、作成スピードを落とさないためには、作成者の知識やスキルに左右されないシステムづくりが不可欠になる。
そもそも、エフェクト作成はひらめきや直感で作成する部分が半分で、残りの半分は要素を埋めるシステム的な部分で構成されていると言える。当社のシステムは、知識と経験が必要になる要素分析を補助し、レイヤー組み替えやパラメータ調整で量産を可能にしている。こうしたシステムは今後もさらに充実させていくつもりだ。

TEXT_山口 絢(ディレクションシーズ・執行役員)、中西 亮(同、アートディレクター)

Topic 6 異業種からの参加もウェルカム
着実にキャリアアップできる環境を整備

なお、現在ディレクションシーズでは、新たに人材を募集中だ。遊技機メーカーから元請けとして仕事を受注しているため、企画・デザイン・液晶制御からデバッグまで、一貫して作品制作に携われることができるのが特徴だ。制作物に対するクライアントの反応が直接伝わるため、クリエイターとしてやりがいを強く感じられるのだという。中でもゲーム性の中核となるコンポジット作業では、チーフの坂ノ上竜也氏を中心に社内ノウハウが共有化され、映像演出に必要なフォーマットが整備されているため、若手でも演出単位で案件に取り組むことができる。研修制度が整っているので短期間で上達できるのも業界未経験者にとっては安心のポイントだろう。一方、女性が安心して働ける環境が整っている点も特徴だ。「結婚後に在宅勤務で働いている先輩社員もいます。将来を考えたときでも安心して働けますね」(中村氏)。高い品質を維持するためにも、ワークライフバランスの配慮が行き届く環境で、自分の実力を発揮してほしい。

スタッフ写真

坂ノ上竜也氏 チーフコンポジター
Q.チーフ職として心がけている点は何ですか?
A.遊技機の映像演出は煽り・タメなど独特のノウハウがあり、習熟にも個人差が出がちです。そこで経験年数や得手不得手で成果物に大きな差が出ないように、社内のノウハウを整理してフォーマットを作りました。リテイクも口頭での指示だけではなく、きちんと文書で残すようにしています。

スタッフ写真

中村亜樹氏 コンポジター
Q.これまでコンポジットの経験はありましたか?
A.もともと実写系の映像制作会社でADをしており、After Effectsも使用していましたが、素人同然でした。今は業務を通して実力がどんどん上がっているのがわかり、毎日が楽しいです。また前職の経験から激務も覚悟していましたが、残業が少なく驚いています。仕事もプライベートも両方、充実しています。



クリエイターのキャリアプラン

キャリアプラン

4ヶ月に一度の評価面接で速やかな給与改定が行われている。
同社では等級制度に基づく評価面談が行われている。新人はオペレーターからスタートし、実績に応じて等級が上がっていく。リードクリエイター以降は担当パートのメインとして、チームのとりまとめも担当する。ディレクターは制作物の品質責任を負い、プロデューサーはクライアントとの信頼関係を築きながら、ビジネスとして成立させることが求められる。等級ごとに必要なスキルを定めた基準も設定されているため、安定した環境でキャリアアップに励めるのだ。給与改定は2月・6月・10月の評価面談をもとに実施され、著しい成果を上げた場合は飛び級もある。人事評価制度が曖昧な企業が多い中で、非常に珍しい例だろう。



TEXT_小野憲史

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会社情報

株式会社ディレクションシーズ
所在地 神奈川県川崎市川崎区小川町11-10
第10平沼ビル4F
TEL 044-211-8078
URL
http://www.d-seeds.com


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求人情報

●職種
コンポジター
●雇用形態
正社員/契約社員
※原則3か月の試用期間あり
※契約社員から社員への登用制度あり
●休日休暇
年間休日数123日(2012年度)、完全週休2日制(土・日・祝・その他会社の定める休日)、年末年始休暇、年間休暇、有給休暇※年間休暇は、休日、他休暇以外に1年間で自由に5日間の休暇を取得できる制度となっています。お盆期間中の夏期休暇はありません
●待遇
【新卒】月給25万円/2013年度実績
【キャリア】年収320万円~550万円
【ディレクター】年収600万円以上

詳しくは 求人コーナー【JOB】をご覧ください。

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