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放送、イベント、医療、セキュリティなど多岐に渡る分野の最新技術展示〜「4K・8K映像技術展」

放送、イベント、医療、セキュリティなど多岐に渡る分野の最新技術展示〜「4K・8K映像技術展」

4K60p RAWデータ編集用のワークステーション/TSUKUMO

TSUKUMOからは4K60pの映像編集用のワークステーションが展示されており、実際にPremiere ProDaVinci Resolveでの合成編集デモを行なっていた。展示されていたのは、Intel Core i9-9980XEとGeForce RTX2080Tiを搭載した、リリースされたばかりのワークステーションWA9J-Y190XT/NRと、Ryzen 9 3900XとRadeon RX 5700 XTを搭載した参考出品のワークステーション。後者のマシンに搭載されているCPUのRyzenは日本ではまだ馴染みがないかもしれないが、高スペックのTSUKUMO注目のCPUだ。

TSUKUMOのブースでは2種のワークステーションがデモ展示されていた

気になるマシン構成とスペックおよび価格は下記の通り。

[WA9J-Y190XT/NR]
CPU:Intel Core i9-9980XE
グラフィックボード:GeForce RTX2080Ti
メモリ:128GB DDR4
システムドライブ:1TB SSD
作業ドライブ:SSD 2TB × 4枚
データドライブ:6TB HDD
マザーボード:ASUS PRIME X299-A
インターフェース:USB 3.2 Gen2、Thunderbolt 3
有線ネットワーク:10GBase-T
OS:Windows 10 Pro(64bit版)
価格:1,199,800円

[参考出品/AMD Ryzen 9]
CPU:Ryzen 9 3900X
グラフィックボード:Radeon RX 5700 XT
メモリ:64GB DDR4
システムドライブ:1TB SSD
マザーボード:ASROCK X570 Creator
インターフェース:USB 3.2 Gen2、Thunderbolt 3
有線ネットワーク:10GBase-T
OS:Windows 10 Pro(64bit版)
価格:400,000円前後を予定

3倍近い価格差のある2機種だが、WA9J-Y190XT/NRは作業ドライブとデータドライブを考慮した堅実な作業マシン仕様になっているので高価になるのも当然だろう。そして2台とも実際に編集データを動かすデモを行なっているので数値だけでは実感できないスペック体験をすることもできた。もし店頭で触る機会があったらぜひ試していただきたい。

両者とも編集ソフトが起動しているので実際のスペック体験ができた

映像資産をデータベース化するAIプラットフォーム/NTTデータ

NTTデータのブースでは映像フッテージを自動認識でタグ付けしデータベース化していくビデオAIプラットフォームのVision Data +を展示していた。

概要は、まず導入の目的に応じて最適な認識エンジンを選択してGUI設計とタグの設定を行う。後は映像を自動認識させてデータベース化していくわけだが、映像の状態によってはコントラストアップなどの前処理が必要になる場合もある。肝心の自動認識の内容だが、デモでは数種類を見ることができた。

ニュースクリップでは、ナレーション音声を自動でテキスト化してその中から固有名詞や専門用語などタグ設定した単語を検出する。映像内のテロップもテキスト化されて同様の検出を行う。人物の顔をタグ設定できるので、映像から顔認識して特定人物を自動検出することができる。また、その他の人物は登録外の人物としてストックされ、手動で名前を入力することができる。これら自動認識された情報はタグのボタンで検索され、検索にヒットした映像フッテージのリストと、それぞれの映像内で検索対象が登場する部分が時間とタイムライン上のマーキングの両方で表示される。

ニュースクリップから音声、画像、顔の認識を行いタグ付けする

映像フッテージの中から検索を行える

その他の検出機能として、映画のエンドロールを単純なテキストだけでなく、同時に役柄・役職と名前を分けてデータベース化したり、スポーツ中継のクリップから映像内人物の骨格を自動解析し、ガッツポーズなど特定のポーズを検出することができる。

このように、Vision Data +は複数の自動認識エンジンを元にクライアントの要望に応じて設計していくAIプラットフォームだ。

エンドロールから役職と名前と分別してテキスト化するユニークなデモ

ゴルフの中継クリップから、ティーショットや拳を握るポーズなどのシーンを自動検出していた

8K対応の周辺機器/ブラックマジックデザイン

ブラックマジックデザインの8K対応機器として、今夏発売予定のHDRとコントローラが展示されていた。

8K対応レコーダのHyperDeck Extreme 8K HDRの特徴は7インチのタッチスクリーンで、映像の拡大表示やビデオスコープとの表示切り替えなどが液晶パネルで行えるところにある。内部、外部の収録メディア対応も考慮され、さらに収録映像のコマ落ちを防ぐためにPCIeフラッシュディスクをインストールすることもできる。

8K対応のHDRであるHyperDeck Extreme 8K HDR

HyperDeck Extreme 8K HDRの仕様は下記の通りだ。

[HyperDeck Extreme 8K HDR]
・入出力:Quad 12G-SDI/HDMI2.0/アナログビデオ入力/アナログオーディオ入力
・録画/再生:8K(7680 × 4320)p60 まで可能
・対応コーデック:H.264/ProRes
・スクリーン:7インチ 1920 × 1200 2000 nit DCI-P3 100% HDR LCD(タッチスクリーン)
・ビデオスコープ:波形、パレード、ベクトル、ヒストグラム
・収録:デュアル CFast スロット、USB-C 3.1 Gen 2 拡張ポート × 1
・キャッシュスロット:M.2 PCIe NVMe 60mm、80mm、110mmに対応
・外部制御:RS-422 入出力、10Gイーサネット
・価格:567,800円

HyperDeck Extreme Controllerは8K HDR用のコントローラで、RS-422経由で最大8台までのデッキを操作することができる。HyperDeck Extreme 8K HDR単体でもボタンとタッチパネルの両方で録画や再生操作は行えるが、複数台のHDRを操作する場合にはどうしてもコントローラが必要になってくるであろうし、このコントローラが従来の放送用ビデオデッキに近いUIなのが魅力のひとつにもなっている。

タッチパネルで映像の拡大表示ができる

ビデオスコープ表示。右にあるのはコントローラのHyperDeck Extreme Controller

4K、8Kの高精細映像は、カメラやHDRなどの収録機器や、編集システム、再生機器などが注目されがちだが、高精細を利用したセキュリティ機器や自動検出システム、医療での活用など、あらゆる分野の発展に役立つ大きな要素であることは間違いなく、通信技術とも密接に関係してくる。その点からも今回のような映像技術と通信、伝送技術が一同に会する展示は意義のあることで、すでに来年の展示日程が決定していることからも、いかに注目されている分野であるかが窺い知れる。

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