>   >  「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2014」レポート<2> 京楽ピクチャーズ.PRESENTS 映画『魔女の宅急便』メイキング&WOWトークセッション&VFX-JAPANアワード
「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2014」レポート<2> 京楽ピクチャーズ.PRESENTS 映画『魔女の宅急便』メイキング&WOWトークセッション&VFX-JAPANアワード

「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2014」レポート<2> 京楽ピクチャーズ.PRESENTS 映画『魔女の宅急便』メイキング&WOWトークセッション&VFX-JAPANアワード

多彩なジャンルから魅力あふれる作品が集結


今年で2回目となった「VFX-JAPANアワード2014」では、優れた3DCG/VFXを活用した作品の中から全6部門の最優秀賞作品が発表された。対象となったのは「劇場公開実写映画」、「劇場公開アニメーション映画」、「テレビ番組」、「ゲーム映像」、「CM・プロモーションビデオ」、「イベント・LIVE映像」の6部門。秋山貴彦氏(VFX-JAPAN代表理事)が司会を務めた表彰式では、優秀賞作品の紹介映像が流れたのだが、いずれも高い技術や斬新なアイデアが光る、魅力的な作品ばかりであった。 最優秀賞受賞作品は、以下の通り。

●イベント・LIVE映像部門最優秀賞
『TOKYO CITY SYMPHONY』
クリエイティブディレクター:大八木 翼氏、馬場鑑平氏、映像ディレクター:TAKCOM氏、テクノロジスト:橋本俊行氏、音楽家:三浦康嗣氏


「映像の賞をいただくのは今回が初めてなので、とても嬉しいです。ありがとうございました」(TAKCOM氏)



●CM・プロモーションビデオ部門最優秀賞
『Silicon;BootDrive』
ディレクター:A.T.氏(淺井 健氏)、プロデューサー:林 達郎氏、プロデューサー:遠藤正人氏、プロデューサー:鈴木章仁氏、CGディレクター:太田吉洋氏、プロデューサー:樋口 良氏、プロデューサー:増尾隆幸氏


「なにかの間違いじゃないと思うくらい、ほかの作品が優秀に思えたので、とても驚いています」(A.T.氏)、「たくさんのプロダクションが関わって作った作品ですので、代表してお礼を言わせていただきます。ありがとうございました」(増尾隆幸氏)



●ゲーム映像部門最優秀賞
『ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル』
プロデューサー:新野範聰氏(バンダイナムコゲームス)、プロデューサー:佐々木夕介氏(バンダイナムコゲームス)、CG・VFX:松山洋氏(サイバーコネクトツー)


「この作品は、原作者・荒木飛呂彦先生の魅力的なタッチをどうしたらゲーム上で再現できるかという点を、サイバーコネクトツーさんと何度も何度も試行錯誤しながら完成させた作品です。これも集英社さんを始めとする、皆さんのご協力があってこそ実現できたものです。ありがとうございました」(佐々木夕介氏)、「荒木先生の漫画のテイストや美麗なカラー原稿の魅力を、リアルタイムなCG描画でプレイヤーが自由に動かして遊べる......そんな夢のようなゲームを作りたいという一心で、本作の表現を完成させることができました。これからも弊社では、超アニメ・超漫画的な表現を突き詰めていきたいです」(松山洋氏)



●テレビ番組部門最優秀賞
『八重の桜』
NHK「八重の桜VFXチーム」


「大河ドラマというのは1年間に50話ありまして、毎週、制作し続けることがとても大変でした。一緒にやってきたプロダクションさんや、チームの皆さんに感謝したいです。これからもまた"ゆうばり"に戻ってこられるよう、がんばります」(松永孝治氏/NHK)

●劇場公開アニメーション映画部門最優秀賞
『キャプテンハーロック』
監督:荒牧伸志氏、VFX:東映アニメーション、VFX:マーザ・アニメーションプラネット


「制作している時から業界の関係者に"ぜったい失敗するなよ"とプレッシャーをかけられてきた作品でした。国内では"大成功"......とまではいきませんでしたが、海外で高い評価をいただいて、面目を保てたかなと思っています」(荒牧伸志監督)。「『ハーロック』という作品は、自分が小さい頃から知っていた思い入れのある作品で、下手なものは作れないなと思っていました。海外で評価されているという話を聞くと、"やってよかったな"と、嬉しい気持ちになります」(竹内謙吾氏/マーザ・アニメーションプラネット)



●劇場公開実写映画部門最優秀賞
『少年H』
監督:降籏康男氏、VFXスーパーバイザー:戸枝誠憲氏(テレビ朝日クリエイト)、VFXプロデューサー:山本貴歳氏(テレビ朝日)


「CGの見せ場がある映画ではないんですが、作品全体に、演出としてVFXが馴染んでいるかどうかを再優先で考えながら制作しました」(戸枝誠憲氏)。

最後に、劇場公開実写映画部門最優秀賞を受賞した戸枝誠憲氏が話してくれた、映画『少年H』降籏康男監督とのエピソードが印象的だったので、ここに紹介しておきたい。
「『少年H』の監督は、巨匠と呼ばれている降籏康男監督なんですが、映画の制作が始まってすぐの頃は"降旗映画にCGなんて"という雰囲気があったんです。ところが、制作が進むうちに監督とお話する機会があったんですが、その時"自分が助監督だった頃、監督の命令で、雲が出てくるのをわざわざ待っていたことがある。それが映画というものだと思っていたから。でも今回『少年H』をやって、雲がほしかったら描いてもらえばいいじゃないかと思うようになった"とおっしゃっていただいて。僕の中では、その言葉がすごく励みになっています」(戸枝誠憲氏)。
国内の映像制作において、VFXが重要な役割を占めてきたことを実感させるエピソードだった。この勢いが続き、これからの国内VFXがますます盛り上がるよう、今後の「VFX-JAPANアワード」に注目していきたい。

※「VFX-JAPANアワード2014」優秀賞作品についてはこちら

TEXT_山田桃子
PHOTO_弘田 充

『ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2014』

『ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2014』

開催期間:2014年2月27日(木)~2014年3月3日(月)
会場:アディーレ会館ゆうばり(旧夕張市民会館)、ゆうばりホテルシューパロ、夕張市内会場
主催:ゆうばり国際ファンタスティック映画祭実行委員会、特定非営利活動法人ゆうばりファンタ
公式サイト:http://yubarifanta.com

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