STEP 02:髪の作成
<A> 髪の毛部分をモデリングしていく。日本のキャラクターは、ヘアスタイルで個性を描き分けるケースが多い。例えば本数であったり、角度であったり、色であったり。実のところ目つきや胸の大小なんてものは髪型の差に比べれば些細なちがいでしかない。そのため顔よりも慎重になる必要がある。
<B> さて、せいらの髪型だが藤真絵の特徴のひとつがこのアングル限定の髪型。二次元美少女キャラクターの髪型は必ずしも立体を意識して描かれていない。そりゃそうだ。二次元で完成するキャラクターなんだから二次元でしかできない手法を採るのは当たり前のこと。藤真さんの描く髪型もまたそのひとつと言える。
<C> 大真面目な3D脳で作ろうとすると成立させるのが面倒くさかったりするのだが、実は片面ポリゴン(板ポリゴン)で作成することでこのトリックは簡単に解決できる。相手が「二次元でしか成立しない手法」で来るならば、こちらも「3DCGでしか成立しない手法」によって再現すればよい。なお言うまでもないことだが、この方法で作られたモデルはPBR(Phisically Based Rendering)と非常に相性 が悪い。良くも悪くもわりきった手法である。
<D> もみあげとツインテールの大枠ができたところで一度3ds Maxで読み込み、Pencil+ 3でテストレンダリングをしてみた。ちなみに自分は今回のプロジェクトで初めてPencil+を使用したが、なるほど、絶賛されるわけである。
<E> ここからしばし、Pencil+のパラメータを調整しながらエッジのちらつき等を抑える方法を探す作業に移った。やはり顔が綺麗に出てくれないのでは話にならない。下手したらモデリングの手法を変えなければならない可能性もあったので、早めに実験しておきたかった。
<F> しかしそこはさすがの評判。Pencil+はレンダリングが速くトライ&エラーがやりやすくて非常に助かった。