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Land-Y氏オリジナルプロジェクト『七尾の狐』に学ぶ、魅力を最大限に引き出すキャラクターのつくり方

Land-Y氏オリジナルプロジェクト『七尾の狐』に学ぶ、魅力を最大限に引き出すキャラクターのつくり方

5 自動での口パクや目パチ

立ち絵用に口パクや何種類かのポーズ集を制作しています。何度も修正するため、ここも工夫しました。まず、NUKEで「全身」「口」「眉」「目」を特定フォルダへ出力。リネーム&フォルダ移動、命名規則が特殊なため、DOSコマンドのバッチファイルを書き、自動「口パク」「目パチ」ツールの指定フォルダに移動させます


NUKE


  • 素材合わせ


  • 表情例

6 マシンスペックとシステム改善


マシンスペックへのこだわりは大事です。システム開発をがんばるよりも、お金を出せば解決するならしましょう。とはいえ、システム改善も必要です。シーンデバッガーを見ながらしくみの最適化も怠っていません。Softimageはエンベロープなど「1コア」しか使わない機能があるため、CPUをシングルスレッドが高速なものに切り替えました。i7-3930k(6コア3.80GHz)からi7-7700k(4コア4.50GHz)に変えて、モーション制作時fpsが倍になったときは愕然としました。早くに切り替えていれば、もっともっと効率化が図れていたはずなのに......と、おおいに反省。なお、コンポジット作業では、最新のM.2規格の高速ストレージ3枚差しのRAID0ストライピング採用し、読み書き3,000~4,000MB達成。OS起動が約10秒を切り、スリープの復旧並に速いです。OpenEXRの画像を多用するとその速度にアドバンテージが出ます

完成


オリジナルキャラクター制作にこだわる所感は「自分の子供が一番かわいい」。それに通じる感覚を得られることでしょうか。なぜ生まれて、何を思いながら生活しているのか。その衣装は何を主張しているのか。キャラクターの一生を含めてデザインすると愛着が生まれます。そして、自分の理想や人生観を押しつけて、好みの造形にしていきます。愛着が強くなれば、多少出来が悪くても何度も修正をかけられるし、楽しいアニメーションをつくれば自然と品質が上がっていくものです。つまり、モデリングにこだわる以上に、どれだけそのキャラクターを効率良く磨き上げるかが大事ではないかと考えています

まとめ

キャラクターに対する思いとデザイン業務に関わりたい人へ

本作の女性3キャラクター中、最後に制作したのが今回紹介したフェイクさんです。衣装面では一番コストが低く、動かしやすくて気楽です。逆に、七尾シキはリグが多くて動かしづらくClothシミュレーションも併用しなければ品質を担保できないので、お世話に時間がかかります。まあ、重要なところだけ登場するので、コストに見合った働きをしていただいています。全キャラクター手抜きを前提にせず、キャラクター設定に見合った仕込みを心がけました。ただ、キャラクターの個性は髪型に肝があります。ロングヘアは大変ですが、コスト増は気にせず自由にデザインしています!

3D制作者は、デザイナーという肩書はもらえますが、決められた仕様を遂行だけのするオペレーターであることも多々あります。もし、コンセプトからのデザイン業務に関わりたいのであれば、そういう仕事がしたいと主張し、営業を続けてください。そんな中、留意したいのはこの記事でも紹介したように、現状3DCGの問題は技術とコストと品質のバランスです。



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