>   >  アートとテクノロジー、リサーチとビジネスを"CROSSOVER"する「SIGGRAPH Asia 2018」キックオフ記者発表会
アートとテクノロジー、リサーチとビジネスを"CROSSOVER"する「SIGGRAPH Asia 2018」キックオフ記者発表会

アートとテクノロジー、リサーチとビジネスを"CROSSOVER"する「SIGGRAPH Asia 2018」キックオフ記者発表会

SIGGRAPHと関わり続ける「フォーラムエイト」代表 伊藤氏が登壇


ゲスト講演では、フォーラムエイト 代表取締役社長 伊藤裕二氏が登壇した。フォーラムエイトは30年来CADソフトを手がけており、2000年には市場に先立ちVRソフトウェア「UC-win/Road」を発売している。近年VRは様々な産業分野で使われているが、「フォーラムエイトとしては高品質、高機能なシステム構築が可能なパッケージソフトウェアを基盤としたソリューションを提供している」と説明した。もともとは米サンディエゴで開催されたSIGGPRAPH 2003へ出展をきっかけにSIGGRAPHと関わりをもち、その後、2015年に神戸市で開催されたSIGGRAPH Asiaでは神戸市に研究基盤をもっていたという経緯からプラチナスポンサーとして協力し成功を収めている同社。今回の東京開催でもプラチナスポンサーを務めており、「SIGGRAPH Asia 2018では、VRやCGを活用した情報処理全般、AIやIoTも含めた最新のコンピューターグラフィクス関係の展示が数多く出展されればと思います。当社としても最大限、最新のVR活用やシステムについて展示をしたいと思います」と語った。

「SIGGRAPHには特別な文化がある」、学術と産業が融合する場所


2人目のゲスト登壇となったのはデジタルハリウッド大学学長 杉山知之氏。杉山氏によると、東京は世界最大規模のCGプロフェッショナルコミュニティがある場所で、SIGGRAPH Asiaの東京開催は大きな意味があるとのこと。また、アメリカで行われる本家SIGGRAPHは、その歴史から見てもハリウッド映画関連に向けた技術開発が興味を引くところだが、東京のコミュニティで大きいのは"ゲーム産業"と"アニメ産業"だと言う。「ハイクオリティでレンダリングをして大きな映画に耐えるようなものをつくっていくというのもメインではあるが、昨今のグラフィック技術の進化によりリアルタイムの世界も進んでいる。一番の応用はゲームの世界。東京開催ということで、最前線で働く方々も含めてコミュニティを大きく盛り上げていきたい」。こうしたモチベーションの根幹はSIGGPRAHの"特別な文化"にある。最新研究やエマージング・テクノロジーが産業にきちんと応用される、技術が人々を楽しませるというところに直結しているSIGGRAPH Asiaは、学術と産業が分かれて考えられがちな日本では価値的と言える。これまでSIGGRAPHに縁遠かった方々にも、ぜひ数多く参加して欲しいと語った。

スポンサー企業・団体からのメッセージ

記者発表会の終わりには、5つの企業・団体からのビデオメッセージが会場で再生された。本稿では内容を要約して紹介する。


CG-ARTS専務理事 鈴木 郁氏
www.cgarts.or.jp


「CG-ARTSはACM SIGGRAPHとコーポレートアグリーメントを結んでおり、今回のSIGGRAPH Asia 2018を応援しています。世界中からクリエイターが集まるSIGGRAPH Asiaですが、待望の東京開催ということで絶好の機会となりました。産業界や学術分野はもちろん、CG分野で働きたいと思っている学生の方にもぜひ参加していただきたいです」。

VFX-JAPAN 代表理事 結城 徹氏
vfx-japan.jp


「当団体は設立7周年を迎えますが、現在VFX Japan Award、月齢セミナー、社員交流会の開催、フリーランスの方の健康保険など様々な活動を行なっています。世界各国からのビジター、国内のCG、VFX関係者が一同に集結し、情報発信やコミュニケーションがますます深まるよう、我々も可能な限りサポートしたいと思います。日本のCG、VFXがさらに発展し、Asiaの中心的な役割を果たせるよう願っています」。

SIGGRAPH Tokyo 安藤幸央氏
www.sig-tokyo.org


「私の考えるSIGGRAPH Asiaのポイントはインスピレーション、コミュニケーション、モチベーションの3つです。最新技術やアート作品、CG映像のメイキングからインスピレーションを受け、世代や業種を超えてコミュニケーションをとり、1年分のモチベーションをチャージして活力を得るのがSIGGRAPH Asiaの素晴らしいところです。本分は学会ですが、CGとインタラクティブ技術のお祭りといっていいほどの充実したカンファレンスです。SF映画に出てくるような未来都市東京へようこそ!」

イマジカ・ロボットホールディングス 代表取締役 塚田眞人氏
www.imagicarobot.jp


「弊社グループは米国で開催されているSIGGPRAHには初期からお世話になってきましたが、今回は日本での開催ということでゴールドスポンサーとして参加しました。参加される皆様には論文の発表などアカデミックな技術交流を期待していますし、海外の方との交流によってクリエイティブな刺激を感じながら、アジア初のコンテンツがワールドワイドに広がるようなネットワークづくりなど、幅広いチャンスをつくり出すお手伝いがしたいと思っています。今回は学生ボランティア(Student Voluntter Program)にも参加をしており、学生の皆様の来場に大変期待しています。また、弊社のブースではCG、VFXなど既存の領域に留まらずVR、MR、4K、HDRなどの新しい分野での映像制作と技術支援を行なっています。エンターテイメント分野だけでなく、スポーツや医療におけるCGの活用事例もご紹介します」。

ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン 大前広樹氏
unity3d.com/jp



「UnityはゲームやAR、VRといったインタラクティブアプリケーションを開発するツールとして世界中で愛用していただいています。Unityでも、最先端のCGをつくり出すため、ここSIGGRAPHで生まれた沢山の技術が使われています。また、私達自身もSIGGRAPHで新しい技術や論文を発表するなどして、CGの進歩に微力ながら貢献してきました。SIGGRAPH Asia 2018、皆さんの力でぜひ盛り上げていきましょう!」



  • SIGGRAPH Asia 2018
    カンファレンス:2018年12月4~7日
    展示会:2018年12月5~7日
    東京国際フォーラム(TIF)
    sa2018.siggraph.org/jp

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