SHADER & TEXTURING
Knaldを用いた透け感のある人肌表現
本作では特に人肌の質感にこだわり、人肌などの表面下散乱表現を再現するためSSS(サブサーフェス・スキャタリング)が取り入れられています
現実の世界では耳や手のひらなど厚みのない箇所は光をよく通す(皮膚の下で皮下散乱する)性質がありますが、SSSをシェーダ単体で使用すると全身に均等にSSSがかかってしまい、人体の厚みによってSSSの効き具合に差をもたせることができません。そこで必要になってくるのが肌の透け具合を指定するトランスミッションマップ【画像左】で、このマップを生成するために用いるのがKnald【画像右】です。Knaldはベイクやテクスチャ生成専用のソフトで、ハイポリとローポリの差分からノーマルマップやAOマップなど様々なテクスチャマップを生成できますが、今回はKnaldでキャラクターのSSS用トランスミッションマップを生成、Photoshopで微調整してUnityのAlloyシェーダに適用、という手順で運用されています
Toolbagによるノーマルベイク
ベイクにはMarmoset Toolbagのベイカーが用いられており、ノーマルマップとIDがベイクされます。ベイク時は、重なっている部分を切り離して一発でベイクしているとのことです。ToolbagでベイクしたノーマルマップをKnaldで変換することで、AO・Curvature・Heightなどの各種マップが生成されます
3Dスキャンとディテールマップの活用
テクスチャはCGTextureなどの素材サイトで購入したものを加工することもあるそうですが、キャラクターの肌質感に関しては、ILLUSIONが独自にモデルさんを全身スキャンした超高解像度の肌素材がベースとして使用されています。転写には3D-Coatが用いられており、テクスチャは左右非対称にすることでよりリアルで自然な見た目になるように意識しているとのことです。さらにキャラクターに近寄ったときに肌の質感が出るように、Unity上でセカンダリマップ(ディテールマップ)も適用されています。セカンダリマップには人肌のような質感のタイルマップを使用し、唇など適用したくない箇所はマスク素材で指定されています
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『VRカノジョ』
ジャンル: アドベンチャー
開発元:ILLUSION
パブリッシャー:ILLUSION
リリース日: 2018年4月9日
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