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生配信を支えるVRアニメ制作ツール「AniCast®️」

生配信を支えるVRアニメ制作ツール「AniCast®️」

未来の日本政府のエージェント「がんばるぅ子」

「がんばるぅ子の政見放送!」
AniCast® XVI Inc./©SHOWROOM ©JustPro
www.showroom-live.com/ganbaruuko

キャラクターデザイン

のぶし氏によるキャラクターデザイン画・表情集。ビジュアル原案は福原氏によるもので、SHOWROOMのギフトの中にあったタコをモチーフとして組み込んでいる。「SHOWROOMの配信は上半身にアテンションが多くなることを意識してデザインしてもらいました。また、視聴者にリラックスして観てもらえるような包容力のあるコンテンツを意識して、色味はパステルカラーで統一しています」(福原氏)。タコ以外には星のモチーフも瞳・襟に添えられている。表情の中では、喜怒哀楽を中心とした一般性の高いラインナップのほか、モチーフを反映した「タコ唇」が特徴的だ。また背面腰部にもタコ足のモチーフが配されている。SHOWROOMの配信では背面が映る機会はなかなかない中での、こだわりが感じられるアクセントだ

3Dモデル

るぅ子さんの3Dモデル。ポリゴン数は約7万ポリゴン。「めぐちゃんの前例がある中での作業ということで、お互いのフォーマットがわかった上でのやり取りは、非常にスピーディに進めることができました」(鈴木氏)。モデル制作期間は約ひと月半とのこと



  • ワイヤーフレーム表示



  • テクスチャ表示

顔付近のワイヤーフレーム表示。瞳のハイライトはオートで微動させるために独立したメッシュになっているほか、二重のラインもメッシュで表現された

袖口は肩からの補助ボーンによって、肩の可動と連動して干渉を回避している

デザイナーのフィードバック

レンダリング画像に対するデザイナーからの指示書き。「45度ずつレンダリングし、斜めから見てもかわいくなるようにチェックしてもらいました」(鈴木氏)。「配信中はよく首を振ることを見越して、可能な限り死角のない顔を目指しています」(福原氏)。頭部については、髪飾りのタコの大きさ・角度やハイライトの出方(中央が長く、左右に向けて短く)、頭頂部の分け目の有無、顎のラインの角度などが指示されている。背面については、ヒレのような後ろ髪のシルエットの修正が、ボディについては襟元の構造感や胴のくびれのライン修正が指示された

るぅ子さんを支えるディテール「フェイシャル」

完成したフェイシャルの一例。注目は髪飾りのタコで、るぅ子さんの表情・感情にリンクしてタコも変化するようになっている。「モデリング作業の中では表情に一番注力しました。AniCastは表情を重視していることもあり、どうしたらかわいくなるか、試行錯誤をくり返しています。AniCastに組み込まれると100倍くらい魅力が増幅されて、XVIさんには本当に感謝しています!」(鈴木氏)。表情のパターンは約40ほど用意されており「配信中に煩雑にならないよう、数を多数用意するのではなく、組み合わせによって表現するようにしています」(福原氏)とのこと

Maya上の見た目とUnity上の見た目

表情の一例。前髪に隠れている眉毛もレンダリング時には前面に描画されるしくみとなっている

ユニティちゃんトゥーンシェーダーによる質感表現

質感設定後のルック

Unityでの質感設定の様子。シェーダはユニティちゃんトゥーンシェーダーが用いられている。アサインされているマップもBaseMapのみとシンプルだ。AniCastはアニメをつくるためのツールとして開発されていることもあり、動きがリミテッドになる表現を入れているほか、質感も作画テイストを志向している。「作画アニメと100%同じではなくても、グラフィックとしてAAAの品質ではなくても、受け容れられる土壌があります。できる範囲の表現とCGとしての良さ、CGだからできることはグラフィックを設計する上でも常々意識しています」(室橋氏)

ギフティング

SHOWROOMでのコミュニケーションの一環として根付いているギフティング。降ってきたギフトアイテムとキャラクターがインタラクションするだけでも、ついついギフトを贈りたくなる。このギフトアイテムは、キャラクターに合わせて色味・雰囲気が変更されている

最も素敵なギフト「タワー」や、モチーフの「タコ」などを多数贈られたるぅ子さん。ギフトアイテムの中にはるぅ子さんの苦手なものも含まれているのだとか......!?

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