POINT 02
新しくモデリングし直されたキュアブラック
今回つくり直されたモデルのひとつ、キュアブラック。骨格をしっかり意識したモデリングが施されており、広角レンズでアップになっても顔が破綻しないようになっている。また、スムース前後でも印象の変わらないモデルだ
<Pick Up>POINT 03
キュアブラックに見るキャラクター表現の進化
『映画プリキュアオールスターズDX2』(2010)で作成されたものと、本作のために作成されたキュアブラックの新旧比較画像。改めて比べてみると一目瞭然で、その進化に驚くだろう。以前のモデルも時代を考えると決して品質が低いわけではないのだが、現在のモデルはモデリング、デフォーム、シェーダ、トゥーン、ハイライト、リグ、陰線処理など、あらゆる面で進化しているのがわかる。3Dでありながらも手描きの良さも取り入れて、表情も非常に柔らかい。また、今回こだわったという握った手にも注目したい。セル調のアニメを長くつくり続け、経験を蓄積させた成果だろう
POINT 04
リアルな厚みのある手
手は強くこだわった部分だ。前作『ドリームスターズ』からアップデートされ、ポーズもさらに自然なリラックスしたものになっている。指は8角形にするなど、ポリゴン数は抑えてあるが、とてもリアルなシルエットだ。「セル調のシェーディングで成立するスタイライズをしつつ、可能な限り肉感のあるリアルな造形を目指しています」(宮本監督)
POINT 05
オリジナルキャラクターのミデン
本作でプリキュアたちと戦うことになるオリジナルキャラクター、ミデンの初期設定とモデル。デザインから宮本監督が起こし、3Dモデル化している。デザインの段階から「surfaceWave」という布を波立たせる自社プラグインありきで考えたという。加えてアニメーションのコストが高い「接地」を避け、浮かばせるようにデザイン。「3DCGの強みを活かすにはどうすればいいのか、いつも考えています」(宮本監督)。なお、モデル自体のポリゴン数は少なめに抑えられている
POINT 06
pfxToonの設定
プリキュアのトゥーン表現には以前よりpfxToonが使われており、特徴的な線の太さや表情、色合いを表現している。なお、今後については、ラインはPencil+ 4 for Maya、シェーダはArnoldを予定しているそうだ。特にArnoldのシェーダは表現力が高いため、期待値も高い。ちなみに、モデル自体はpfxToonもPencil+ 4も同じものが使用できるとのことだ
POINT 07
フェイシャルと目の中の落ち影
フェイシャルリグについては、基本的な部分は『ドリームスターズ』の頃の仕様が採用されている。なお、本作では目の中の落ち影を、Transparencyを使ったシェーダベースにしたことにより、プレビュー上で確認できるようになった。瞳のレンズはRefractionを使用している。なるべくレイトレースを使いたいという監督のリアル志向の一環だ
POINT 08
ボディリグ
セットアップではプライマリリグのほかに、セカンダリの揺れものを制御するオリジナルのプラグイン「dangleCurve」が積極的に使われている。はじめはアニメーターが付けたセカンダリアニメーションに揺れを付加するポストダイナミクスのシステムだったが、プライマリアニメーションに追随してシミュレーションしていくプレダイナミクス型に改良された。特にベイクされたキーをグラフエディタで修正できるのが便利とのことだ
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『映画HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ』
公開中
原作:東堂いづみ/監督:宮本浩史/アニメーション制作:東映アニメーション/配給:東映
www.precure-movie.com