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バーチャルマーケット4でお目見え! 2017年モデリングコンテスト最優秀作品「ボーンデジ子」ローポリVer.

バーチャルマーケット4でお目見え! 2017年モデリングコンテスト最優秀作品「ボーンデジ子」ローポリVer.

全体的なポリゴン削減方法と作業ポイント

Live SurfaceとQuad Draw Toolによるリトポロジー

Mayaの機能を使ってハイポリモデルをローポリ化する便利な手法を紹介しよう。元のモデルに対してエッジを細々と減らしていくのは効率が悪いため、Live SurfaceとQuad Draw Toolを使ってハイモデルの上から新規でローポリメッシュを張っていくやり方だ



  • 元のハイポリモデル



  • 新しくメッシュを張りたいオブジェクトを選択してLive Surfaceを実行。濃い緑色になっている部分がLive Surfaceとして、新たにポリゴンをスナップできる状態になっている



  • 新しく上からポリゴンを作成するためのツールがQuad Draw Toolだ



  • 元の形状を意識しつつ頂点を定義することで、形状のながれに沿った新しいポリゴンが自動的に生成される

三角ポリゴンの使いどころ

ローポリモデルでは四角ポリゴンと三角ポリゴンが混在しているが、三角ポリゴンを使うのにはいくつか理由がある。ひとつはポリゴン数の削減。ズボンの下に潜らせている下腹部の継ぎ目が三角になっているのがわかるが、このエッジが四角ポリゴンのものだと全体のポリゴン数が増えてしまうからだ。一方で、細かい形状を表現するためにポリゴン数を割く意味合いで三角にしている部分もある。例えばタンクトップから覗く下胸がそれにあたる。さらに、前述のようにUnityではポリゴンが自動で三角に変換されるため、四角のままだと三角になったときのフェースの向きを指定できない。意図したシルエットを出したい場合は、事前に三角ポリゴンとしてつくっておく方が良いそうだ

動かすことを見据えたメッシュの割り方

ローポリ化においても、後にアニメーションさせることを念頭においたモデルのつくりが重要になってくる。デジ子のデザインはパラシュートパンツのような垂れ下がったベルトが特徴的だが、このようにズボンの上にベルトがくるような場合は、【画像】のようにズボンのメッシュの割り方をベルトに合わせておくと良い。これはセットアップ後に動かした際、ズボンとベルトのメッシュがバラバラだとズボンがベルトを貫通してしまうエラーが起こり、それを防ぐための下準備だ。このように表面上にパーツがある場合については、下のメッシュも同じ割り方にしておくと後の不具合が出にくくなる

【画像】の手指はローポリモデルでもポリゴン数を割いている箇所だが、この関節部分についても曲げたときに伸びる外側と折り込まれる内側を意識した上で最小限の分割になっている

細かいパーツや形状をテクスチャで表現

シルエットを意識したポリゴン削減

メカ部分をローポリ化する作業方針も基本的に同じで、シルエットに影響が出やすい部分はメッシュの分割数を確保し、影響しにくい部分はエッジを削除しながらメッシュの分割数を減らしてテクスチャで表現するというもの。わかりやすいシリンダーパーツの例を見てみよう



  • ハイモデルのメッシュ。ほぼ全ての形状がメッシュとして起こされている



  • ローモデルのメッシュ。ボルトの穴や段差、面取り部分などがオミットされ、必要最小限の構成になっている



  • ハイモデルのテクスチャシェーディング



  • ローモデルのテクスチャシェーディング。オミットされた部分がテクスチャで表現されていることがわかる

Substance Painterの活用

メカ部分は細々したパーツが大量にあるため、手作業の目合わせで描き込みを行なっていくのは現実的ではない。そこで利用したのがSubstance Painterでマスクをベイクする手法だ。ハイモデルにRGBに色分けしたマテリアルを割り当ててローモデルにIDマップとして焼き付け、テクスチャを描く際のガイドとして使用している

【左】がローモデル、【右】がRGBのマテリアルをアサインしたハイモデル。それぞれをFBXで書き出し、Substance Painterで読み込む。まずローモデルを読み込み、IDのColor SourceとしてMaterial Colorを選択。続いてベイク元となるハイモデルを指定してベイクする

【画像】がローモデルにハイモデルのマテリアル情報がベイクされた状態。おおまかなアタリではあるが、これがあるだけで作業がだいぶ楽になるそうだ。また、オクルージョン素材をベイクするにあたっては、動かすことを前提に行う必要があるという。パーツ同士がくっついた状態でベイクすると、動かしたときに適切でない影が見えてしまうからだ

そこで【左】のようにパーツごとに間隔を空けて並べておくことで、【右】のように適切なオクルージョンが入る

【左】が完成したメカの手のメッシュで、【右】がテクスチャを適用したもの。ローモデルであってもテクスチャによって説得力のある見映えが実現されている



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