>   >  クリエイターを支援する仕組みの充実、2020年の日本のインディーゲームをとりまく状況<2>
クリエイターを支援する仕組みの充実、2020年の日本のインディーゲームをとりまく状況<2>

クリエイターを支援する仕組みの充実、2020年の日本のインディーゲームをとりまく状況<2>

<3>インディーゲームレーベル「ヨカゼ」の登場

音楽の世界には、パブリッシングの枠組みとして「レーベル」が存在します。レーベルは一種のブランディングであり、近いスタイルのアーティストを取り扱うことでファンは自分の趣向にあった音楽を見つけやすくなります。

インディーゲームにおいては、パブリッシャー単位ではこうした「作品のジャンル傾向」というものはほとんどないのが現状です。そんな中、株式会社room6が立ち上げたレーベル『ヨカゼ』はレーベルの概念をインディーゲームに輸入し、雰囲気の近い作風のクリエイターをフィーチャーすることでファン層の拡大をねらっています。

パブリッシャーの垣根を超えて、クリエイター同士の情報交換や、ブランディング、マーケティングの一環として一緒に動いていくレーベルになるそうです。

<4>家庭用ゲーム機メーカーのインディーサポート体制が整う

任天堂では以前から、インディーゲームクリエイターの専任サポーター2名が日本で活躍しています。ゲームファンへのインディータイトル紹介も担う彼らは、国内クリエイターからの信頼も厚く、Nintendo Switchにおける日本発のインディータイトルの拡充に大きく貢献していると言えます。マイクロソフト「ID@Xbox」プロジェクトのもと、各種インディーイベントに専任の担当が赴き、作品のXbox Oneへのリリースを促進しています。

PS4を有するソニー・インタラクティブエンタテインメントは、今年に入って日本を含むアジア地域の担当があらたに就任しました。上海におけるPS4開発者コミュニティ醸成に携わっていた人物であり、日本におけるインディークリエイターの誘致策に期待がかかっています。

家庭用ゲーム機において、インディータイトルの拡充とクリエイターのサポートはビジネス面においても重要な要素です。日本から世界に羽ばたくタイトルをいち早く獲得するため、プラットフォーム各社は様々なサポートを展開していくことでしょう。

日本のインディーゲーム作例紹介②『水瓶上のフェルマータ』

独特のローファイ・グラフィックを特徴とした本作はUnreal Engine 4で開発されているゲーム作品です。単純なレトロポリゴンではない、新しい表現としてのグラフィック表現からはどことなく哀愁を感じます。

作者の休符氏は、前回紹介の『狐ト蛙ノ旅』にはシナリオ担当として開発に参加しています。こちらの作品も「Pixiv Fanbox」にてパトロンを募集しています。

『水瓶上のフェルマータ』
開発:休符(twitter.com/kyu_fu
発売日:未定
プラットフォーム:未定
www.fanbox.cc/@kyu-fu

<3>に続く

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