ボタン1つで映像データを
宣伝・販促物用に瞬時に切替え
映画が完成すると、宣伝・販促物用のデータを多数用意する。以前はそれらのデータ作成に大変な手間がかかっていたが、ColorEdge ならプリセットボタン1つで、映画用、テレビ用、印刷用と瞬時に切替えられる。カラーマネージメントされた劇場用の設定での見え方と、各媒体での見え方をモニター上で確認できるのは便利だ。「映像制作で完結するのではなく、スマートフォンなどの最終的なデバイスのアウトプットまで、トータルで考えていく時代です。ボタン1つでデータを確認できる仕組みは素晴らしかった」(白組 システム部部長・鈴木 勝氏)。

プリセットボタンで媒体ごとの色チェックも効率化
映画が完成すると、ポスターやパンフレット、テレビ、Web などの各種媒体用に、映像の抜き出しが求められる。ColorEdge を使えばプリセットボタン1つで各種媒体用のデータを確認できるので、作業効率が格段に上がった
導入してわかった正しい色
階調もより滑らかに再現
主にカラーマネージメントを目的として導入した ColorEdge だったが、モニターの色再現性の高さも、品質向上に役立ったという。「空の色で、場面全体の印象がガラッと変わるんです。赤、青、黄、紫など微妙なニュアンスを見て検討していくのですが、同じデータを ColorEdge で見たとき、グラデーションの幅がこんなにあったのか! と驚きました」(渋谷氏)。
また、ColorEdge を使う前は協力会社間でも出しづらい色があったが、今は ColorEdge で色の再現範囲が広い DCI を色基準にすることで、より色が豊かで、品質の高いデータを安心して制作できるようになった。「以前のモニターでは、プロファイルを指定しても再現が難しいことがありましたが、今回 DCI 規格に迫る広色域を再現できるモニターで統一したことで表現できる色域が広くなり、結果的に映像の表現力も上がったと思います」(松本氏)。
白組ではプロジェクトごとに最適な機材を使用することで、時間とコストを削減している。渋谷氏は「モニターは最優先で変えたいと思っていました」と語る。今後は ColorEdge を全員に導入する予定だが、一気にではなく段階的に進めていく方針だ。「まずは色の確認が必要なチームから導入して、徐々に全体へ、という具合に統一していきます。絶対効率的になりますよ」(鈴木氏)。
ColorEdge の最新機種「CG246」では、既存機能が向上したのはもちろんのこと、液晶画面の特性上、難しかった黒のディテールの表現力がより向上するなど、使い勝手がさらに向上している。映像制作のプロに「最優先で変えたかった機材」と断言されたモニターは、今後も様々な現場で、クリエイティブワークをサポートしていくことだろう。
TEXT_長尾健作(パーチ)
『ALWAYS 三丁目の夕日'64』
映画『ALWAYS 三丁目の夕日'64』(2012 年公開)は、山崎 貴監督の『ALWAYS』シリーズの第3弾。今作は 2D 版、3D 版の同時上映で、発売中の Blu-ray 及び DVD でも、2D 版と 3D 版が用意されている
映画公式サイト:
http://www.always3.jp
©2012「ALWAYS 三丁目の夕日' 64」製作委員会
キャリブレーションセンサー内蔵
24.1 型カラーマネージメント液晶モニター
ColorEdge CG246
CG246 製品ページ:
http://www.eizo.co.jp/products/ce/cg246
EIZO Webサイト:
http://www.eizo.co.jp