>   >  いよいよ日本のデジタルコンテンツ業界にも3Dペインティングの波が到来! Substanceスペシャリストが最新動向を語る
いよいよ日本のデジタルコンテンツ業界にも3Dペインティングの波が到来! Substanceスペシャリストが最新動向を語る

いよいよ日本のデジタルコンテンツ業界にも3Dペインティングの波が到来! Substanceスペシャリストが最新動向を語る

<2>Substanceツール群の展望

ーーUnityなど、他社のDCCツールとの連携にも積極的に取り組まれていますね。

マクダーモット氏:そのとおりです。DCCアプリケーションとしては、Maya、3ds Max、MODO、CINEMA 4D、iClone、Houdini など、ゲームエンジンでは Unity と Unreal Engine をサポートしています。SDK もあるので、カスタムエンジンに組み込むことや、社内ツールのワークフローの中に組み込むことも可能です。

ーー今後実装予定の新しい機能を教えていただけますか?

マクダーモット氏:7月21日から23日にわたりハリウッドの GNOMON で開催した Subscance Days というユーザーイベントで公開したものでは、Substance Designer 5.5 のバージョンで MDL(マテリアル定義言語)を作る機能が新しく追加される予定になっています。これはノードベースのインターフェイスで、グラフを使ってコードを書くことなく、MDLマテリアルを作ることのできる機能です。Substance Painter の次バージョンではスキャンしたデータを基にブレンドする機能が予定されています。

Substance Days Live Action

ーー最近オープンされた「Substance Share」というコミュニティサイトについても教えてください。

マクダーモット氏: Substance Share は、今年スタートしたばかりのサイトです。数多くのポートフォリオ(作品履歴書)を共有し、チュートリアル、アセット、ブラシ、マテリアル、ヘルプなど、デジタルアーティストたちが Substance に関する全てを共有するサイトになっています。

Substance Share - Free Exchange Platform

ーーSubstance ツール未経験の人たちへのメッセージをお願いします。

マクダーモット氏:まずは YouTube にたくさんあるビデオチュートリアルを見てもらって、機能を知ってもらいたいです。YouTube にアップしているビデオはどれもわかりやすさを心がけているのでツール操作の理解が早まるはずです。自信をもってオススメしますよ! また Substance のユーザーコミュニティが非常にツールを愛してくれているので、彼らがつくったハイクオリティな作品を見てもらい、そこからインプレッションを受けてほしい。ユーザーコミュニティで質問してみるのも良いでしょう。テクニカルアーティストとして活躍されている方であれば、複雑な Substance Designer を素早く使えるでしょう。一方のSubstance Painter は簡単なツールなので、誰もが 1日もあれば、満足のいくレベルで使いこなすことができると思いますよ。

いよいよ日本のデジタルコンテンツ業界にも3Dペインティングの波が到来! Substanceスペシャリストが最新動向を語る?

ーーでは、すでに Substance ユーザーの方々にもアドバイスをいただけますか?

マクダーモット氏:お気づきの方も多いと思うのですが、小さいところから着手し、少しづつ、より複雑な処理/表現に仕上げていくのがコツです。ハイトマップやノーマルマップといったグレースケールの単純なところからから始め、チェックしていきます。色や構造をシンプルに保つのが重要です。あとからカラー情報を加えていく方が、細かなニュアンスを最適化していきやすいのです。細かいディテールを最初に加えてしまうと、様々な作業をしていくうちに、気づいた頃には、その細かなディテールが失われてしまうからです。

ーーテクスチャアーティスト全般へのアドバイスもいただけますか?

マクダーモット氏:何かをじっくりと観察し、参照するというリファレンスの作業はとても大切です。実際に物体に触って、ざらつきを感じたり、様々な方向からの反射を観察することもかかせません。悩んだらシンプルな形に、細かく分解していくことが秘訣。それらの情報を積み上げていき、物体全体を見ていくのです。全体像から、細かな一部分まで、様々な段階の大きさに分けていくことでマテリアルを忠実に再現していくことができると思います。

ーー最後に日本のデジタルアーティストたちへメッセージをお願いします。

マクダーモット氏:Substance をぜひ使ってください! 様々な国のユーザーとコミュニケーションをしていると、スタジオごと、ユーザーごと、国ごとに使い方や利用方法は千差万別です。ですからぜひともSubstanceツール群を使っていただき、コミュニティに参加してほしいのです。日本のユーザーの作品や使い方の情報が世界中に発信されることで、そこからさらに新しいアイデアが生まれてくるかもしれません。Substance Share のコミュニティサイトに書き込んだり、メッセージをいただければ、私自身もサポートしますし、世界中のユーザーが助けてくれます。ですから、Substance にぜひ触れてみてください!

いよいよ日本のデジタルコンテンツ業界にも3Dペインティングの波が到来! Substanceスペシャリストが最新動向を語る?

マクダーモット氏のArtStationページ。Substanceツール群に興味をもった人は、その肩書きのとおり、テクニカルとアーティストの両面に精通する彼にいろいろと聞いてみるといいだろう

Profileプロフィール

ウェス・マクダーモット/Wes McDermott(Allegorithmic、Substanceスペシャリスト)

ウェス・マクダーモット/Wes McDermott(Allegorithmic、Substanceスペシャリスト)

テクニカルアーティストとして、技術的な知識と、アーティストとしてのスキルのキーとなるバランスを見つけることを追求中。Allegorithmicでは、シニア・コミュニティ・マネージャーを務めるほか、Maya、MODO、UnityとのSubstanceツール群との円滑な連携を目的とするプロダクトデザインを担当している。「Real World MODO and Creating 3D Game Art featuring Unity and Blender pipelines」の著者としても知られる。

@The3DNinjya

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