150万DLを突破した『MASS FOR THE DEAD』での取り組み
CGW:続いては、150万DLを突破し、現在絶賛配信中の『オーバーロード』原作モバイルゲーム『MASS FOR THE DEAD』についてお伺いします。
吉永哲也氏(以下、吉永):『MASS FOR THE DEAD』アートディレクターの吉永です。初期の頃からプロデューサーやディレクターと協力して、ビジュアルの方向性などをつくり上げてきました。実制作にも大きく関わりまして、UI周りなどをメインに担当しています。もともと20代前半の頃にコンシューマ業界におり、複数のタイトルに携わっていました。その後ソーシャルゲーム系の会社へ転職し、そこからクリエイティブ系の方向に進みまして、Exysでも同じような働き方をしています。
CGW:本作には初期の頃から関わられていたそうですが、企画が起ち上がったあとはどのような業務を行なっていましたか?
吉永:最初は私のほかにもう1名、コンシューマ経験があり、ディレクションができる方と、デザイナー2名がおりまして、そのメンバーで2ヶ月程度かけてイメージムービーをつくるところから始めました。3Dのキャラクターデザインと、当時決まっていた戦闘システムのUIなどをひと通り可視化して、バトルシーンが始まってボスを倒すところまでを映像化したのです。このムービーを基に、社内の3D部門に協力してもらったり、外部の開発会社を探したりと、チームワークで開発していく方向で制作が動き出しました。
【左】メインキャラ「モモンガ」の3Dモデル/【右】「ナザリック玉座の間」コンセプトアート崩壊ver
『MASS FOR THE DEAD』
CGW:最初にリファレンスとなるムービーをつくる手法は良く用いるのですか?
吉永:どのような企画にするかをプレゼンテーションするとき、文字と絵がベースの企画書だと面白さが伝わらないのです。ビジュアルをどういう方向性にもっていくかまでを可視化することが重要で、ムービー制作がコストパフォーマンス的に合っているかどうかはプロジェクト次第ですね。
CGW:実際の開発においては、どういった部分を重視しましたか?
吉永:等身の低いキャラクターはどうしてもディテールが潰れがちになりますが、そこは原作『オーバーロード』のキャラクターと比較して「絶対に押さえなければいけないポイント」を残して制作しています。三面図なども、2Dと3Dでそれぞれやり取りをしながらつくりました。あとは、元となるIPがある作品なので、プロジェクト的にはシナリオが一番大変でしたね。原作者の丸山くがね先生が原作設定で大きく関わっているのですが、シナリオ自体は完全に新規なので「このキャラクターはこういうことを言わない」、「ストーリーに説得力を持たせる必要がある」など、ひとつひとつ深掘りしつつ臨機応変に調整していくことに時間を使いました。社内にもシナリオライターがほしいと感じているので、今まさに募集をしています。
CGW:最後に、一緒に働きたいと思うデザイナー像について教えてください。
吉永:コミュニケーションをしながら一緒にモノづくりができる方が良いですね。ものすごく手が早い方とか、画づくりが上手い方もありがたいですが、ゲーム開発は待ちの姿勢が多いと難しい現場だと思います。それよりは、プロジェクトチームの中でデザインが提案できるくらいのコミュニケーション能力がある方を歓迎します!
【左】「ナザリック玉座の間」3D用設定図/【右】「ナザリック玉座の間」3DCGによる背景
『MASS FOR THE DEAD』
【左】「ナザリック玉座の間」3D背景のワイヤーフレーム表示/【右】「ナザリック玉座の間」3D背景の頂点カラー
『MASS FOR THE DEAD』
【左】マイページ画面用背景テクスチャ/【右】マイページ画面用3Dモデル
『MASS FOR THE DEAD』
©丸山くがね・KADOKAWA刊/オーバーロード製作委員会
INFORMATION
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『MASS FOR THE DEAD』
ジャンル:異世界ダークファンタジーRPG
対応OS :Android 5.1以降 / iOS 10以降
価格 :基本プレイ無料 / アプリ内課金あり
配信 :Exys
Android/iOS
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