内定者のデータでみる
ポートフォリオブラッシュアップ法
2014年8月26日~9月3日にかけ、CGWORLD編集部は2013年度または2014年度中にCG・映像関連職種に内定した人を対象にアンケートを実施。83件の回答を得た。その結果を紹介しよう。
Q1 ポートフォリオやデモリールをつくり始めた時期は?
最も多かった回答は「応募の約半年前」で、回答者の40%に相当する。次点は「応募の約1年前」で28%相当だ。つまり約7割の回答者が、ポートフォリオやデモリールの制作に半年~1年の時間を費やしている。しかし半年前から応募する企業が確定していた人ばかりではないだろう。時間をかけてポートフォリオやデモリールの完成度を高めていく一方で、それを提出する企業を探す。根気強い姿勢で就職活動に挑んだ人が多いことが読み取れる。
Q2-1 応募前に何人に見てもらった?
Q2-2 応募前に誰に見てもらった?(複数回答可)
教育機関の先生や企業の採用スタッフなど、色々な立場の数多くの人たちにポートフォリオやデモリールを見せていることが、集計結果から読み取れる。別途行なった「役に立ったアドバイスは?」という質問に対しては、〈作品の掲載順番〉、〈ページ内のレイアウト〉、〈作品解説用のキャプション〉、〈表紙〉などへの意見を参考にブラッシュアップしたら、同じ作品なのに見違えるほど良くなったという回答が数多く寄せられた。1人で黙々と作り込んでいると、自己満足な内容に留まってしまう危険性がある。多くの人に意見を求め、「採用担当者への配慮ができているかどうか?」を客観的な目で判断してほしい。
Q3-1 学校の課題作品とオリジナル作品の比率は?
71%の人が、全体の5割以上をオリジナル作品が占めていたと回答している。ある回答者は「初期のポートフォリオは大半が課題だったので、『結局何がしたいの?』とよく聞かれていました」とコメントしてくれた。学校から与えられた課題だけで、自分の好きなこと、自分のやりたいことを伝えきるのは不可能だと思ってほしい。採用担当者が最も知りたいのは、「当社に入って何をやりたいですか? 何ができますか?」ということだ。自分の希望と、会社の需要がマッチングしている人ほど、面接に呼ばれる確率が高くなる。相手に何を伝えるべきかを意識しつつ、掲載作品を選んでほしい。
Q3-2 オリジナル作品の内容は?(自由回答)
Q4 採用の決め手になった要素は?(自由回答)
ポートフォリオやデモリールの内容に加え、面接時の印象やインターンシップ中の態度が採用の決め手になったと、多くの回答者がコメントしている。面接やインターンシップでは、自分の希望、得意なこと、志望動機などに加え、遠隔からでは伝えにくい自分の情熱や人柄まで、採用担当者に直接伝えることができる。その一方で、自己アピールの内容に一貫性がなかったり、嘘があったりすると、即座にばれてしまうという側面もある。CGも映像もゲームも、1人だけで黙々と作るものではない。入社後のチームワークまで視野に入れ、他者と対話するスキルを磨いてほしい。
TEXT_尾形美幸(EduCat)