<3>恒例企画「アニメーション四方山話」
阪神・淡路大震災の翌年より開始された「アニメーション神戸」。震災からの復興だけではなく、デジタルコンテンツ産業振興の先駆としてモデルケースになっていた。なかでもアニメーション神戸賞は、国内の商用アニメーションを対象として、優れた作品やクリエイター、長年アニメーション業界に貢献した者などを表彰してきた。
授賞式の前には、声優で実行委員長の神谷 明氏とアニメ監督の大地丙太郎氏による、恒例の「アニメーション四方山話」も実施された。折しも制作に2人が関わっている『DD北斗の拳2 イチゴ味+』が放送中であることから、その裏話が展開された。
左から神谷明氏、大地丙太郎氏
2人の「アニメーション神戸」への参画は神谷氏が第2回から、大地氏が第4回からと長い。神谷氏は司会を担当した翌年から声優ワークショップ、そして第11回からは実行委員長も務めてきた。一方の大地氏は個人賞の後、Eクリエーターズフェスティバルやデジタルクリエーターズコンテストの審査委員長であった。トークでは大地氏が、デジタルクリエーターズコンテストで受賞した中から印象に残った3作品を挙げた。
第13回愛ある音楽そして美術大賞『wireless FINAL opening animation』(代表:西田章二)
第18回最優秀賞『Fireworks Beads』(はしもとまさむ)
第19回最優秀賞『黄色い気球とばんの先生』(幸洋子)※トレーラー
ちなみに「アニメーション神戸」は第20回を節目に、このような開催形式は終了になるとのこと。締めの総評で神谷氏は、前任の故・浜野保樹氏から実行委員長を引き継いだ経緯や、東日本大震災の翌2012年から始まったKOBEぽっぷカルチャーフェスティバルが成長しつつあることなどに触れ、「これからも神戸のみなさんにアニメを支え、そして神戸をどんどんどんどん素晴らしい街に、そして世界に冠たる街にしていっていただきたいと思います」と話した。
総評中の神谷明氏
神谷氏は続けて「私のバトンも、その意思を継いでくれる方にお渡ししたいと思います。でもバトンを渡した後も、しばらく一緒に走っていようかなと思います。ぜひこれからもたくさん神戸にやって来たいと思います。今まで本当にたくさんの方に支えられてきた「アニメーション神戸」。その思いが一番強いですね。改めて皆々様方に御礼を申し上げます。本当に長い間ありがとうございました」と深く一礼した。
TEXT & PHOTO_真狩祐志 / Yushi Makari
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「第20回 アニメーション神戸」授賞式
日程:2015年12月6日(日)
場所:デザイン・クリエイティブセンター神戸 (KIITO)
神戸市中央区小野浜町1-4
www.anime-kobe.jp/