>   >  VRならではの豪華演出と臨場感に満ちあふれたライブ体験。『初音ミク VRフューチャーライブ』
VRならではの豪華演出と臨場感に満ちあふれたライブ体験。『初音ミク VRフューチャーライブ』

VRならではの豪華演出と臨場感に満ちあふれたライブ体験。『初音ミク VRフューチャーライブ』

Topic 02
VRならではのステージ制作

PS4版から大きく変わったのがステージを含む背景の表現方法だ。 これまでは遠景や見えない部分を簡略化する方針だったものを、本作では自由な視点移動や視差に対応するため全て立体化されたステージとなっている。

ステージモデルと視点の切り替え

ミクが歌うステージ背景は Vita版やPS4版から大きくデザインや構造が変更されている。Vita版とPS4版では書き割りなどの表現を使ってステージを表現してきたが、本作ではVR空間としての見せ方を試行錯誤し、スタッフがHMDを被って実際に作成した空間を体験しながら空間設計が行われた。本作ではプレイヤーの操作に応じてアッパーフロアー・アリーナ・オンステージなど、カメラ位置(=座席位置)を変更することができるため、ステージ全体を細かくポリゴン化したディテールのある立体構造となっている。ステージの大きさも視点の移動に応じてどのように見えるか実際にHMDで確認しながら、スケール感や距離感を細かく調整していったという



  • Mayaで作成されたステージモデルのワイヤーフレーム



  • ステージのみの全体を実機で表示したもの



  • 2階席から見た状態



  • アリーナから見た状態


ステージ上から見た状態

VR空間特有の演出ギミック


ステージ空間には、VR特有の演出ギミックが仕込まれている。本作ではプレイヤーが視点を切り替えたときに、遠景になってしまうとステージ上のミクが見にくくなってしまうこともあるため、上段画像のようにステージ上のミクをステージ後方の大型モニタに表示する工夫などが施されている。また、巨大なミクのホログラフィを会場に浮かび上がらせたり(下段左画像) 、空中に漂うステージにミクを乗せて歌わせたりと(下段右画像) 、VRライブならではの演出が施されている

ライブ感を盛り上げるモブ表現



VRライブを盛り上げるための表現として、ペンライトを持った観客のモブが会場全体に配置されている。モブは「盛り上がり」のパラメータをもっており、ライブの展開に応じてアクションの強度やペンライトの光が変化する。また、モブ全体の動きが一定だと不自然になってしまうため、5グループに素材を分けてプログラム制御で上手くブレンドしながら、動きにバラつきが出るように調整されている[A]。配置されているモブのデータはカメラからの距離に応じて近景用[B]・中景用[C]・遠景用[D]の3種類用意されており、遠景のモブは近景のモブをキャプチャしてテクスチャとして使用している。またVRならではの施策として、視点の高さを調整できる機能を実装。空間やモブに対して自身の身長からの見え方に合わせることで、VR酔いを軽減している。[E]デフォルトの高さ/ [F]視点を高くした状態

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Topic 03
内製ツールを使ったエフェクト制作

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