テクスチャ
テクスチャについては公式のキャラクターイラストをリファレンスにしているが、基本的にはフライトユニットが普段から得意としている水彩画のようなテイストを採用している
髪の毛のハイライト部分。ループテクスチャを使用している
Substance Painterの活用
モデリングはMetasequoiaで行われたが、刀剣部分のマテリアル設定のみ、Substance Painterで仕上げられている。キャラクターにSubstance Painterを使うと、CGっぽさの残る無機質な印象になりがちなため、これまでフライトユニットではあまり使ってこなかった。しかし、「鎧や刀など、無機物をSubstance Painterでペイントすると、全体的な現実感がものすごく上がります。本作では身に付けている着物や装飾などは手描きのテクスチャを使い、キャラクターから一歩引いたところにある刀剣部分はSubstance Painterを使いました」(松本氏)
Substance Painterでの作業画面
Substance Painterで描画した刀剣のテクスチャ。解像度は2,048×1,024
モーフによるフェイシャルの設定
本作のシナリオでは繊細な表情が多かったため、フェイシャルはモーフで付けている。「カメラがあれば漫画的な表現ができますが、VRでそれをやると角度を変えたときにおかしく見えてしまいます。キャラクターを正しく丁寧に表現することで、結果的にVRで見たときの見映えが良くなるんです」(松本氏)
セットアップ
三日月宗近には髪や着物の袖、袴、装飾品など、揺れものが非常に多い。そのため、どのくらいのボーン数を入れれば布のように見えるのか、研究しながらボーンを組み込んでいった。最終的に袖には400本、シミュレーション用に200本のボーンを設定。さらに手で調整するためのボーンも入れている。「揺れものに使用しているボーンは重なり合う箇所も多く、設定にはかなり手間がかかりました」(大坪氏)
自動で揺れる袖
袖などの揺れものには自動で揺れる設定を加えている。「これだけの布をまとったキャラクターは珍しく、ゲームでのバトルでは求められないような精度が要求されました。動きをリアルにしすぎると三日月宗近のシルエットが崩れてしまうため、慎重に行いました」(大坪氏)。シミュレーションにはプラグインのMotionBuilder Simulation Pluginを使用。設定を組むのは大変だったというが、一度設定してしまえばモーションを再生するだけで綺麗に揺れる
固定ポイントの利用
袖に設定された固定ポイント