CASE 03
複数のライトを使用したインテリアシーン
業務での使用を想定したテスト
続いて、87個のエリアライト、53枚の4Kテクスチャ画像、148万ポリゴンのオブジェクト、GI全開という、実際の業務で使用される程度のインテリアシーンを使ってレンダリングテストを行なった。複数のエリアライトからの間接光が室内を照らす自然史博物館のモデルを用意し、テクスチャも4Kサイズのものを贅沢に使用。またレンダリング時に被写界深度計算を行い、さらに負荷をかけている。
設定のポイント
この場合も基本的にデフォルト設定を使用している。
- V-Ray
- Case 01と同じ
- Arnold
- Case 01と同じ
- OctaneRender
- Path Traceモードのみ。ライティングが複雑なインテリアシーンなのでMaxサンプルを2,000まで上げている
- Redshift
- Case 01と同じ
検証結果
レンダリング時間
正しくレンダリングできているか
ライトの照度パラメータやシェーダの設定が異なるため、限られた時間の中での調整ではまったく同じ画にすることはできなかったが、計算負荷としては同じレベルになっていたと思われる。ただし、Octaneだけは専用のスキンシェーダがないため(シェーダネットワークを駆使してSSSのようなものをつくることはできる)、恐竜の見え方が異なってしまったことを容認いただきたい。
Maya上での扱いやすさ、表示状態
ライト、マテリアルは各レンダラごとに異なるノードを使用するため、Maya上とはいえ各レンダラに対応するシーンに変換することは大変であった。特にOctaneはMayaのシェーダノードが使えないため、他のレンダラからのマテリアル移植には時間が必要となる。Octaneで最初からマテリアルを組む場合は慣れてしまえば問題ないと思われる。ライトに関してはPythonを使って自動的に各レンダラの専用ライトノードに入れ替えるようにした。
レンダリング結果
レンダリングサイズ:1,920×1,080
結果としては、Octaneを除いてはほぼ横並びのレンダリング時間となったことは興味深い。Quadro 4000程度のGPUではGPUレンダラとしてのメリットは発揮できなかったと言える。品質に関しては、アンバイアスなGIアルゴリズムを使用できるV-RayとRedshiftがノイズも少なく美しい。ただしアンバイアスなGIアルゴリズムは静止画用と考えておいた方が良いだろう。Arnoldもほぼノイズは気にならないが若干ファイアフライノイズがあるのでもう少し詰める必要がある。Octaneはまじめにパストレースするタイプのアルゴリズムなので、Maxサンプル2,000でもまだノイズが取りきれていない。インテリアシーンで使用するにはもっとパワーのあるGPUが必要だろう