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ユニティちゃん新プロジェクト『The Phantom Knowledge』で学ぶ、Unityの新しい使い方

ユニティちゃん新プロジェクト『The Phantom Knowledge』で学ぶ、Unityの新しい使い方

Topic 2 ユニティちゃんトゥーンシェーダー2.0

UTS2.0は高品質のトゥーン、およびセルシェーディングを実現するのと同時に、プロのアニメーション制作現場や、高品質のVRコンテンツでの使用に堪えうるように、以下のような機能を備えています。

正確なカラー配置と柔軟な調整が可能

UTS2.0ではトゥーンシェーダの基本である「光源方向を考慮した各カラーの塗り分け」が正しくできます。したがって、カラー設計の担当者がいる制作ラインでは、各シーンに必要なカラーセットを定義しつつ作業することが可能です。しかも「通常色(BaseColor)」「1 影色(1st_ShadeColor)」「2 影色(2nd_ShadeColor)」「ハイカラー」「リムライト」の各カラーに対して、「各カラーの境界にぼかしを入れるか?」「ライトカラーを各カラーに反映させるか?」「光源方向を考慮するマスクをリムライトにかけたり、ハイカラーにマスクをかけたりなどの強力なマスク機能」などを使うことで、個々のカラーに対して様々な調整が適用できるようになっています。その結果として、セル調のルックからイラスト風のルックまで、幅広いルックを設計することができます。

イラスト風ルックとセルルック

シェーダプロパティの設定で、同じマップからイラスト風ルックもセル調のルックもつくることができます

カラー設定画面


複雑そうに見えるかもしれませんが、各カラーに対し共通のオプションがそれぞれON/OFFできるように設計されているだけです。順番に設定していくことで多彩な表現ができます

カラーやリムライトマスクの設定例



  • スライダを調整することで、各カラーの領域や境界ぼかしの程度が設定できます



  • 「1影色」より明るいカラーを「2影色」に設定することも可能。その場合、照り返しのような表現ができます


光源方向に応じたリムライトマスクの例。光源方向とその反対側でリムライトのカラーを分けて指定することができます

背景のカラー

3D背景オブジェクトにもUTS2.0を使うことで、セル調のキャラクターとよく馴染む背景をつくることができます。背景用のテクスチャは通常のアニメ用背景と同様に塗ってもらいました。また、影はシェーダで落としています

強力な影制御機能を搭載

UTS2.0では、「光源方向を考慮した各カラーの塗り分け」をする際に「通常色」「1影色」「2影色」が支配する各領域を、光源の設定を変えることなしに、シェーダ側のスライダのみで調整することが可能です。この基本機能に加えて、ライティングとは関係なくUVベースで「1影色」、もしくは「2影色」を常に配置する[ポジションマップ]や、ライティングに対してUVベースで各影色を現れやすくする[シェーディンググレードマップ]の2つの補正マップのいずれかをもつこともできます。これらの強力な影制御機能を使うことで、オブジェクトに対する光の当たり方をマテリアル単位で調整できるので、ライトリンキングを駆使したり、ライトの数を増やさなくても、ねらったルックをつくりやすくなっています。

顔の上の影と髪のハイライト


ユニティちゃんの顔の上を落ち影が滑り抜けると、髪の毛にハイライトが現れます。この効果は髪の形状に沿った影を[シェーディンググレードマップ]で指定することで、ライトが当たると自然にハイライトが浮かび上がるようになっています

ゲーム用に高性能なアウトラインシステムを搭載

[アウトラインサンプラー]を使うことで、UVベースでゲーム用のアウトラインの強弱を調整することができます。さらに、アウトラインカラーをベースカラーと馴染ませたり、カメラ位置を考慮した奥行き方向へのオフセット、カメラ距離を考慮したアウトライン幅の調整機能ももっています。また、PSOFT Pencil+ 4 Line For Unityと共に使用した場合を想定し、UTS2.0のカラー機能のみを搭載したシェーダも用意していますので、プロジェクトごとに必要とされるクオリティに応じて、使用するアウトラインシステムを選べます。

アウトラインサンプラー



  • [アウトラインサンプラー]OFFの状態。不要な部分にもアウトラインが出てしまっています



  • ONの状態。キャラクターの横顔に効果的にアウトラインを出すことができます

Pencil+ 4 Line For Unityとの併用


UTS2.0にアウトラインシェーダとしてPSOFT Pencil+ 4 Line For Unityを使った作例。フレームキャプチャをすることで、映像クオリティのプリレンダー画像として利用できます

UnityのGIシステムに対応

特にゲームなどのリアルタイム向けの機能として、UnityのGIシステムに対応しています。事前計算によるライトプローブを間接光として反映することができるので、リアルタイムポイントライトでは負荷の高いモバイルやVRなどの環境でも、美しいGI表現を楽しむことができます。

GI表現

iOS/METAL/リニアカラーの作例。事前計算されたライトプローブの中をユニティちゃんが移動することで、ステージの環境光がユニティちゃんに反映されます

アニメ的な特殊表現のプリセットを用意

「前髪を透過して描かれる瞳」や「カメラに応じて動く天使の輪」などのアニメ的な特殊表現をシェーダがプリセットでもっていますので、すぐに使うことができます。また、UTS2.0はUnity 2017.1以降リニアカラースペースが使える環境ならば、どのプラットフォームでも同じ画を出すことが可能です。現在、Windows/macOS/iOS METAL/Android/PlayStation4/Xbox One/Nintendo Switchでの表示確認が終了しています。

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Topic 3 内部で開発された支援ツール「NormalPainter」

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