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ユニティちゃん新プロジェクト『The Phantom Knowledge』で学ぶ、Unityの新しい使い方

ユニティちゃん新プロジェクト『The Phantom Knowledge』で学ぶ、Unityの新しい使い方

Topic 3 内部で開発された支援ツール「NormalPainter」

今回のプロジェクトで制作した「NormalPainter」はUnity上でダイレクトに法線の調整ができる、非常に強力な支援ツールです。モデラーにとって法線の問題は非常にナイーブなものでした。一度設定してもポリゴンを切ったり貼ったりするたびに壊れてしまうので、どうしても"最後の転写"に頼らざるを得なかったのです。しかし、NormalPainterでは最終ルックを確認しながら、最終出力される場でダイレクトに法線の調整ができるので、トゥーン系のビジュアル表現をしたい人には心強いことこの上ないでしょう。何よりも強力なのは、従来の方法ではカットごとに法線を個別にもたせようとすると、都度DCCツールから再出力する手間が 発生していましたが、UnityではNormalPainterを使うことでDCCツールに戻らずとも、必要なときに必要な個所だけカットごとの法線編集を可能にしたという点です。

NormalPainterでの作業



  • NormalPainterの画面



  • NormalPainterには多様なExport機能が揃っています。カットごとに専用ノーマルをもたせたい場合は.assetとして保存する必要があります

カットごとのノーマル編集


編集したノーマルアセット。ポイントはデフォルト状態を先に保存して残しておくことです。といっても、多くのカットはデフォルトで十分なはずです

編集が終わったら、カット用に複製されたキャラクターPrefabから変更したいメッシュを保存したものに差し替えましょう。これでカットごとのノーマル編集が可能になります。なお、この一連のフローはさらに改良される予定なので、ご期待ください

Topic 4 Metasequoiaの作業結果をリアルタイムでUnityに転送する「MeshSync」

今回、開発したもうひとつのツール「MeshSync」について紹介します。MeshSyncは非常にユニークなツールです。キャラクターをモデリングする際、アーティストが使うツールは様々で、例えば自分はMetasequoiaを使っていますが、モデリング中はどうしてもMetasequoia上で表現可能なルックに限定されてしまいます。これが最終ルックでモデリングできるなら、アーティストにとってはまさに理想と言えるでしょう。MeshSyncはそれを可能にするツールです。Metasequoiaで操作した結果をリアルタイムでUnityに転送し、最終ルックで作業を進めることができます。

MeshSyncによるルックの確認


MeshSyncの作業画面。Unity上でシェーダやポストエフェクトを含めた最終ルックを確認しながらモデリングできます

Topic 5 手描きの2Dエフェクトをインポート

世の中には「描いた方が早い演出」というものがたくさんあります。例えば、大きな汗であるとか、擬音を入れてみるといった表現にはじまり、一部のエフェクトなどもそれにあたるでしょう。連番ImporterはそれらをTimeline上で簡単に扱えるようにした機能です。『TPK』では3Dキャラクターと手描きの2Dエフェクトの融合にトライしたかったので、この機能を開発しました。手描きの2DエフェクトはAfter Effects上で作成され、Unityにインポートしています。

手描きエフェクトを活用

エフェクトのために手描きの連番画像をインポートする拡張機能、連番Importerを開発しました。これらはストリーミング再生されるので、修正や管理も簡単です。なお、連番エフェクトをポストエフェクトの後に描きたい場合は画像をImageにし、Canvasに貼ることで解決できます



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