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京都造形芸術大学キャラクターデザイン学科 池田ゼミ×カナバングラフィックスの「CGクリエイター塾」

京都造形芸術大学キャラクターデザイン学科 池田ゼミ×カナバングラフィックスの「CGクリエイター塾」

Topic 2
CG実技~モデリング、リギング、アニメーション、ライティング~

習得が早い生徒を飽きさせずに脱落者を極力出さない教材とは

池田ゼミでは3ds Maxをメインツールにしているため、次のレベルとしてMayaの習得を目指した。実技の講義では、ラフモデルの制作を通してツールの基礎からしっかりと覚えられるよう、誰が見ても理解できるほどわかりやすいPDFマニュアルを用意。マニュアルは、授業に出られなかった生徒でもきちんと基礎を押さえてついてこられるよう丁寧に順を追って説明されており、またこういったマニュアルの制作は富岡氏がかねてより構想していたアイデアでもあったという。実際、「カナバンCG塾」のWebサイトではCGを学びたい全ての人のために「Mayaインストール編」がすでに無料で配布されており、今後も随時公開されていく予定とのことだ(今回の特別講義で使用されたマニュアルとは別のもの)。

モデリングの講義では、「ツール操作の基礎」、「ハイレゾモデリング」、「UV展開」、「テクスチャ作成」とモデリングのステップをひとつひとつ踏んでツールに慣れていく。Mayaになかなか馴染めない生徒も多かったが、なるべくシンプルに考えられるよう理解のポイントを復習したり、無駄のないモデリングをするための習慣やデータ管理の重要さを知ってもらったりと、基礎をしっかりと固めることに集中した。リギングの講義では、カナバングラフィックスのリギングアーティストがマニュアルを作成し授業を担当。キャラクターセットアップではアニメーションを付ける前の重要なステップであること、「スキニング」ではおおまかに作業してから細部を詰めていくことを意識してもらうなど、次の段階であるアニメーションをスムーズにこなすための効率的な制作を心がけて作業していった。アニメーションは、基礎でもある「歩き」と「ジャンプ」で重心の制御について学んでいく。「歩き」では腰と背骨の動きが重要であることを自身の身体を使って実感してもらい、重心と背骨の動きを軸にした「生き物の動き」をマスターすることで、ロボットのような不自然な動きになってしまう原因を理解。「ジャンプ」では物理をおさらいしつつ、重心の移動がアニメーションの鍵となることを確認していった。キャラクターを引き立てるライティングに関しては、シーンに合った最適なライトを使いこなせるようMayaで使われるライトの数と特性を理解してもらった。企画書の作成法とMayaによるCG実習をひと通りマスターしてひとまず終了となった1年目の特別講義。「ディレクトリの構造がなかなか理解できなかったり、モチベーションや技術力のちがいがあったりと生徒によって様々でした。CGは難しいけど丁寧につくったら楽しいという気持ちを維持し続けてもらえることを目標に、毎回わかりやすかった部分やわかりにくかった部分をヒアリングして、わかりにくかった部分は補足のマニュアルを追加していました」と富岡氏。カナバングラフィックスによる特別講義2年目「実践編:オリジナル作品制作」へと続く。

モデリング&テクスチャリング

三面図からラフモデルを作成する手順についての解説より。大半の生徒がMaya初心者であることを考慮し、MayaのUIやショートカットなどの基本的な操作についても明記されている

ハイレゾモデリングについての解説より。胴体を例に、メッシュの分割を増やしVertexを引っ張り形状を整えていく手順を図解

(左)planerマッピングを用いたUV展開と編集についての解説より/(右)Photoshopによるテクスチャリングの解説より

リギング

キャラクターセットアップの解説より。1.ジョイント、2.スキニング、3.リギングの各作業手順を視覚的にもわかりやすくまとめられている

アニメーション

歩行のキーフレーム作成についての解説

重心制御についての解説

ライティング

ライティング解説より。大原則となる3点照明について詳しく図解されている

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Topic 3 オリジナル短編プロジェクト(グループ制作)

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