デジタルツールによる管理と働き方改革
スタイルポートでは、ADTなどで作業の効率化を進めると同時に、積極的にデジタルツールを使うことで、制作物件全体のスケジュール管理やコミュニケーションを円滑にしている。SHOTGUNでスケジュールやデータベースを管理し、Slackで業務連絡を、Trelloでタスクのやりとりを行う。SHOTGUNのマテリアルデータベースの入力はGoogleスプレッドシートを利用し、このデータベースはSVNとも連携しているため、インターネットを通じて3ds Maxにマテリアルを読み込み、自動判定でオブジェクトにアサインするなど、活用の幅は広い。
これにより、開発スタッフは札幌など離れた地でリモートワークするなど、場所を選ばずに働くことが可能となった。「普通のCGプロダクションはハイスペックなマシンが必要で、オフィスに通うことが前提です。当社はネット環境があればどこででも働けます」と実際に札幌でリモートワークしている三浦氏は語る。中條氏も「SHOTGUNやSlackを見ていれば直行直帰の営業マンより勤怠管理はしやすいです」と笑顔を見せる。続けて「日本の不動産市場は40兆円と言われています。ハードと言われるゲームやアニメの仕事だけではなく、当社のようなエンターテインメント以外の業種にも興味をもっていただけたら嬉しいですね。これからも働きやすく、やりがいのもてる職場にしていきたいと考えています」(中條氏)と働き方の将来を語ってくれた。また野澤氏は「3DCGはエンターテインメントから始まったため、CGクリエイターはエンターテインメントの範囲でしか3DCGを使えなくなってしまっているのではないでしょうか」と話す。今回のように異業種での3DCGの活用を提案していきたいという意向だ。もともとエンターテインメントの3DCGを生業としていた三浦氏も「人が手に取って実際に使うもののために3DCGをつくるのは新鮮です」とやりがいを感じている様子。今後、今までの範囲を超える分野での3DCGの活躍に期待したい。
SHOTGUNによる様々な管理
タスク管理
仕上げ表
図面管理
仕上げライブラリ
上の画像群のように、データベース化できるものはSHOTGUNで管理されている。進捗状況がリアルタイムで更新されていくため、リモートワークでも勤怠を管理しやすいのも特長だ。データベースの入力はGoogle スプレッドシートを利用している
Slackを用いたコミュニケーション
コミュニケーションツールはSlackを使用している
モデリングやベイクなど、自動作業が終わった時点で通知が自動で飛ぶ
新しい案件が始まったときも同様に通知される。コミュニケーションツールでも自動化を進めることで、効率化とヒューマンエラーを防止しているとのこと
リモートワークが身近な職場環境
会議の様子。写真は東京のオフィスだが、画面には地方在住のスタッフが映っており、離れた場所に居ても会議などを行うことができる。開発ツール、スケジュール管理ツール、コミュニケーションツールなど、全てクラウドを利用しているため、作業の場所を選ばないことはITの恩恵だ。また、ノートPCで行える作業が多いので、リモートワークが進んでいるとのこと