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『ファイトリーグ ギア・ガジェット・ジェネレーターズ』(前編)モデル班とカット班、シンプルな2班体制で撮影までカバー

『ファイトリーグ ギア・ガジェット・ジェネレーターズ』(前編)モデル班とカット班、シンプルな2班体制で撮影までカバー

気になる点は先送りせず、各段階で確実に修正する

アニメ用の設定画は、チームやキャラクターごとに石田氏、鈴木氏、西村氏が分担して手がけており、これら3氏に加え、中島監督やXFLAGによるチェックも行われた。「社内チェックを通過した3Dモデルから順次チェックしてもらっています。シェーディングがグレーのままだとわかりづらいので、バランス段階から色彩設計の色を反映させてほしいという要望がありました」(赤塚氏)。

本作のデザインは3D化をあまり考慮していないため、設定画の三面図を忠実に立体化するのは困難だった。そこで、正面、パース(斜め)、側面の優先順位で設定画の印象に近づけるという方針を定め、早い段階で中島監督たちの合意を得たという。「カット制作で一番使われるのが正面とパースなので、それらの見映えを優先しました」(佐藤氏)。詳しくは後編で紹介するが、カット制作でキャラクターを真横から映すカメラワークを指定されたときには、少しカメラの角度をずらし、より見映えのする画面にすることを提案したそうだ。「CGは工程をさかのぼってやり直すことが難しいので、気になる点は先送りせず、遠慮なく伝えてほしいと折に触れてお願いしています」(赤塚氏)。形状の問題は形状段階、質感の問題は質感段階で確実に解決することで、コストやスケジュールの無駄が減り、クオリティアップに注力できるという。

クリナの3Dモデル制作(設定画と色彩設計)

▲【左】原作のクリナ/【右】原作のクリナを基に、石田氏が手がけたアニメ用の設定画(クリナの表情集)


▲同じく、石田氏が手がけたアニメ用の設定画(クリナの全身)。柴田亜紀子氏による色彩設計も反映されている


▲先の色彩設計を基に、撮影監督の貞松寿幸氏が本編でのルックを表現した画像

クリナの3Dモデル制作(形状段階)

▲形状段階の初期。比較用に、3Dモデルと石田氏の設定画を並べてある


▲先の3Dモデルに対する修正指示。顔やシルエットに対しては、特に細かい指示が出されている


▲形状段階でのOKが出た3Dモデル

クリナの3Dモデル制作(質感段階)

▲質感段階の初期


▲質感段階での修正指示。カゲとハイライトの位置や形に加え、「テクスチャで表現する」といった表現方法も指示している


▲質感段階でのOKが出た3Dモデル


▲完成したクリナの3Dモデルのチェック用ターンテーブル



前編は以上です。中編ではクロームのガジェットや巨大ロボット バールの3Dモデル、後編ではエフェクトや第1話・第2話カットのメイキングを中心にお届けします。ぜひお付き合いください。
(中編は2019年2月21日(木)、後編は22日(金)の公開を予定しております)

©XFLAG Animation©BNP

info.

  • 『ファイトリーグ ギア・ガジェット・ジェネレーターズ』
    原作・製作:XFLAG
    監督:中島大輔
    シリーズ構成:冨岡淳広
    キャラクターデザイン:石田智子/鈴木幸江/西村 聡
    美術監督:中村典史
    色彩設計:柴田亜紀子
    撮影監督:貞松寿幸
    3DCG:サンライズ D.I.D.スタジオ
    サウンドプロデューサー:TeddyLoid
    制作:BN Pictures

    毎週木曜日夜8時よりXFLAG ANIME公式YouTubeチャンネルで2019年2月14日配信スタート
    anime.fight-league.com



  • 月刊CGWORLD + digital video vol.247(2019年3月号)
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