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Blenderにまつわる疑問にCGSLABが答えます!

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<2>かゆいところに手が届く! "Eevee" Q&A

バージョン2.8で実装されたリアルタイムレンダラ「Eevee(イーヴィ)」。皆さんが抱きがちな悩みや疑問にお答えします。

Q.1 Eeveeって何?

A.1 OpenGLを用いたリアルタイムラスタライズレンダラです。リアルタイムビューポートレンダラとしても使用でき、モデリングや、スカルプト、ライティング、ルックデヴ、アニメーション作成などほぼ全ての3D作業を最終に近いルック品質で確認しながら行えます。基本的にはゲームエンジンと同じですが、設計思想としてはゲームエンジンとちがい常にフルフレームのリアルタイムプレビューを求めるのではなく、レンダラとして高品質であることに重点が置かれています。そのため動画でもフリッカー等が発生しにくく綺麗なレンダリングが行えます。現状機能面、結果面でもUnityUnreal Engine 4などと比べても弱い部分が多いですがまだファーストリリースであり、今後も様々な改善や機能追加が予定されています。GPU使用のためGPUメモリ上に乗らない大きなデータはレンダリングできません。また、現状マルチGPUには非対応です。


Q.2 HDRIで影が落ちません。

A.2 Eeveeでは影は光源オブジェクトのみで動作し、HDRIは環境光としてのみ影響するため、必要な場合は太陽光など別途光源オブジェクトを追加する必要があります。


Q.3 コンタクトシャドウが落ちません。

A.3 コンタクトシャドウはライトオブジェクトを選択し、有効にする必要があります。処理が重くなるためデフォルトではOFFになっています。


Q.4 オブジェクトが床に反射しません。

A.4 レンダー設定のスクリーンスペースリフレクションを有効にすることで2次反射が描画されます。スクリーンスペースのため、画面外のオブジェクトは反射しません。必要に応じてLight ProbesからReflection Planes、Reflection Cubemapsを追加することでリフレクション描画をある程度正しくできます。


Q.5 Eeveeで使えないシェーダはありますか?

A.5 2.80では、以下のシェーダがEeveeには非対応です。Holdout(2.81で対応)、Anisotropic BSDF、Toon BSDF、Hair BSDF、Velvet BSDF、Principled Hair BSDFその他にもSky Texture、Particle Infoなど使えないノードがいくつかあります。詳しくはマニュアルに記載されています。


Q.6 アルファが抜けません。

A.6 アルファで抜きたいオブジェクトを選択し、マテリアルプロパティからアルファの描画パラメータの変更が必要です。[Settings→Blend Mode]で切り替えください。計算の軽量化のためデフォルトでは無効になっています。


Q.7 Eeveeでモーションベクターのパスを出したい。

A.7 Eeveeでは現状出せません。Cyclesのみ対応です。現状ごく限られたAOVパスのみサポートしています。


Q.8 被写界深度を入れたい。

A.8 カメラを選択し、カメラプロパティのDepth of Fieldを有効にします。正しい値にするにはカメラの焦点距離やセンサーサイズ、シーンスケールが適切になっている必要があります。値とボケの見え方はCyclesと共通のため、Eeveeで調整してCyclesでレンダリングが可能です。


Q.9 レンダリングするとビューと合わない、動画を書き出すと画面端でパカつく。

A.9 Eeveeはスクリーンスペースで処理が行われるのでカメラ外にあるデータが計算されず、こうした問題が発生します。レンダリングプロパティのオーバースキャンを使用することで強制的にカメラ外も計算しパカ付き等を抑えることができます。


Q.10 オブジェクトモーションブラーがかかりません。

A.10 現在カメラモーションブラーのみで、オブジェクトモーションブラーは非対応になります。早くても2.82以降の対応になると思います。レンダリング時間はかかりますが、サブフレームをレンダリングし、画像処理的にブラーを付加する「Eevee real object based Motion Blur」という無償Addonがあります。


Q.11 ガラスマテリアルがCyclesと一致しません。

A.11 Eeveeでのシェーダ処理はいづれも簡略計算されています。特に屈折物はレイトレースによるものと一致は難しいため顕著に差が出やすいです。板ガラスの場合、マテリアルプロパティの[Settings→Screen Space Refraction]や「Refraction Depth」を調整することである程度見た目を良くすることができます。


Q.12 Emission(自己発光)マテリアルでオブジェクトが照らされません。

A.12 Emissionを使用する場合はLight Probesを使用し、間接光のキャッシュを取る必要があります。[Add→Light Probes→Irradiance Volume]を実行し、レンダリング設定のIrradiance Lightingの設定からキャッシュを取ります。GI計算の代わりとなるため、室内などの場合はIrradiance Volumeの使用が効果的となります。将来的にはアニメーション対応のためキャッシュ処理が不要となる予定です(各Light Probesを使用してEmissioのみで構築したコーネルボックス)。


Q.13 ライトリーク、光漏れが発生します。

A.13 特に厚みのないオブジェクト、バックライトなどでライトリークが発生しやすいです。厚みをもたせたりすることである程度改善可能ですが、ライティングによっては発生します。ライトのシャドウ設定の調整でも軽減できます。2.81ではVSM、ESMの2つ用意されているシャドウのメソッドがPCFというものに代わり、シャドウ設定もシンプルになり、ライトリークが出にくく改善されます。


Q.14 アルファ付きでレンダリングしたい。

A.14 レンダー設定[FILM→Transparent]のチェックを入れ、アルファチャンネルをサポートしたフォーマットで書き出します。Cyclesも同様です。


Q.15 Volumeをオブジェクト形状で描画したい。

A.15 Cyclesではオブジェクト形状で描画されますが、Eeveeではオブジェクトのバウンディングボックスの形状で描画されます。



info.

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    発売日:2019年10月10日

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