各々の体型やサポーターのデザインに応じたメッシュ分割
▲サムライピクチャーズが担当した8人の少女たちのジェットスーツ【上】とサポーター【下】の完成モデル。左から、満腹黒丸、紫集院かぐや、白石マナツ、緑川ゆず、パン・ツウィ、パン・ティナ、翠田いのり、環 楓花。双子のパン姉妹だけはまったく同じ身長・体重・スリーサイズで、それ以外はバラバラの設定になっている
▲満腹黒丸の体幹のメッシュ。ちなみに、バスト111、カップはK(規格外)という設定。肌と布の境目が平らにならないよう、体型やサポーターのデザインに応じたメッシュ分割がなされている
▲白石マナツの体幹のメッシュ。バスト91、カップはE70。サポーターに肩紐がないデザインなので、やや締め付けが強いであろうという想定の下、ギュッと寄せて上げた胸の肉がサポーターの上部に乗っている様子が表現されている。背中の紐のくい込み具合も、ほかの少女たちよりきつめに表現されている
▲パン・ツウィの体幹のメッシュ。バスト76、カップはA65
▲翠田いのりの体幹のメッシュ。バスト86、カップはE65
一番難しかったのは、ジェットスーツの模様の再現
かぐやの3D化において一番難しかったのは、ジェットスーツの表面に描かれた様々な模様の再現だったと熊谷氏は語った。「特に太もも部分は模様が集中していたので、メッシュの割り方にこだわりました。かぐやと黒丸のジェットスーツはほぼ同じデザインですが、2人の体型はまったくちがうので、メッシュの割り方も変えてあります」(熊谷氏)。2人のジェットスーツには、模様を通して締め付け感のちがいを表現する、模様のラインをPencil+ 4 for 3ds Maxで綺麗に描画するという課題があった。さらに太もも部分では、股関節のツイストリグで破綻しないという課題も加わったが、熊谷氏はこれら全てをクリアしたという。
▲かぐやのジェットスーツの太もも部分のメッシュ。スムージング グループのIDの境界を色分けしたもの
▲ポリゴンのマテリアルIDの境界を色分けしたもの。2種類のIDを駆使して、Pencil+ 4 for 3ds Maxによるラインを描画している。折り目(Crease)も使用しているが、ターボ スムーズの設定により、ラインが出ないようになっている
▲不必要なラインは、頂点カラーのRGBマスクで消している。「太もも部分の模様は斜めに引かれた線が多いので、メッシュもそれに準じています。そのため股関節のツイストリグで破綻しやすくなりましたが、メッシュを真横に割りつつ、ターボ スムーズによって模様を維持できる構造にしてあります」(熊谷氏)。ちなみに、かぐやはウエスト59、ヒップ89、黒丸はウエスト70、ヒップ97という設定。ジェットスーツの模様は同じだが、各々の体型に準じた締め付け感のちがいを表現するため、メッシュの割り方を変えてある
「No.1 -「くい込みが大事」ジェットマシンに乗る少女たちの肉感を徹底追求」は以上です。No.2では、少女とジェットマシンのリグにスポットを当てます。ぜひお付き合いください。
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原案:高木謙一郎
監督:金子ひらく
シリーズ構成:雑破 業
キャラクター原案:鳴子ハナハル
キャラクターデザイン:宮澤 努
マシンデザイン:麦谷興一(CHOCO)山本七式(SUDACCI)
アニメーション制作:ティー・エヌ・ケー
製作:KJG PARTNERS
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