>   >  セミナーやパッケージ販売を通じて認知度を上げていきたい〜マーザ・アニメーションプラネットがいち早く実践する「ストーリーボード」による映像制作とは(後編)
セミナーやパッケージ販売を通じて認知度を上げていきたい〜マーザ・アニメーションプラネットがいち早く実践する「ストーリーボード」による映像制作とは(後編)

セミナーやパッケージ販売を通じて認知度を上げていきたい〜マーザ・アニメーションプラネットがいち早く実践する「ストーリーボード」による映像制作とは(後編)

<2>絵コンテとストーリーボードのハイブリッドシステムも開発

高橋:これは沓名がメインで編み出した方法で、ストーリーボードの良いところと絵コンテの早さを上手く組み合わせたやり方です。

沓名:ストーリーボードはコストとスケジュールがかかるしくみなんです。そこで『こねこのチー』では、自分が絵コンテを描き、そこから先の作業を2Dのアニメーターに担当してもらい、その統括を山下清悟氏にお願いしました。効率化が求められるTVシリーズ作品に特化したシステムです。これは1期(2016~17)の途中から行なっていました。

CGW:それは具体的にどのような工程なのでしょうか?

沓名:通常の方法ですと、ストーリーアーティストがパネルを描いて、それをエディターがムービーにし、さらに編集もするのですが、この方法では自分が描いたコンテを基に山下さんたちアニメーターが絵コンテでは足りない絵を描き足し、絵にタイミングをつけてムービーにします。そして、そのムービーをを使って、編集するというしくみです。

本誌225号にて紹介された『こねこのチー ポンポンらー大冒険』における省力化ストーリーシステム
©こなみかなた・講談社/こねこのチー製作委員会

CGW:2Dアニメにたとえると、沓名さんがコンテマンで、山下さんらが原画を描くという感じですか?

沓名:関係性は似ています。自分の仕事は2Dのコンテ以上、ストーリーボード未満という感じです。彼らはデジタルで描けるアニメーターなので、単純に絵を描くだけではなくタイミングをつけてムービーにすることができるため、このしくみに最適でした。

CGW:この手法はどんな理由から思いつかれたのでしょうか?

沓名:まずスケジュールの都合上、完成した絵でアフレコをすることができませんでした。その状況下でアフレコ用のリールをどうやって作るかを検討しました。最初はCGのレイアウトモデルでやったのですが、その段階ではフェイシャル情報(表情)が入っていないので、声優さんにキャラクターの感情を伝えることがスムーズにできませんでした。それならば、絵コンテをリールにしてアフレコした方が上手くいくなと思いこの方法に落ち着きました。

この方法ではアフレコまでしてしまうので、この段階でカットの長さも固定されてしまいます。CGアニメーターはその尺の範囲内で芝居を付ける必要があるので窮屈な場合もあるのですが、スケジュールの状況によっては最善な場合もあります。

高橋:日本の2Dアニメですと、コンテ段階で尺が決まっているのが一般的かもしれませんが、ストーリーリールの場合はその段階では尺は決めないんです。最終的にエディットで尺を決定します。プレスコかアフレコかという日米のちがいもあると思います。ただ、当社としてはあくまでメインはストーリーボードにして日本に広めていきたいという考えです。

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<3>「MARZAデベロップメントシステム」をパッケージング

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MARZA デべロップメントチーム

MARZA デべロップメントチーム

前列左から 栗田 唯氏(ストーリーアーティスト)、沓名健一氏(ストーリーアーティスト)、後列左から 木下宏幸氏(ストーリーアーティスト)、高橋友和氏(エディター)

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