優勝作品をベースに
RTX3060搭載マウスコンピューター DAIV 5Nを検証!
今回は、賞品のクリエイター向けノートPCDAIV 5N」と、鄒さんが自宅で使用する現行機(デスクトップPC)を用意。『THE SPARK : BLACK WOLF』での使用した素材やツールを使い、作業工程を想定したテストで検証した。
DAIV 5Nは、8コア/16スレッドのCPU「インテル Core i7-10870H プロセッサー」やリアルタイムレイトレーシングに対応する最新GPU「NVIDIA GeForce RTX 3060 Laptop GPU」などを搭載。高性能パーツと15.6型ディスプレイでクリエイティブな作業も快適にこなせるモデルだ。さらに、約1.73kgの軽さでモバイル性も兼ね備えている点が大きな特徴となる。
鄒さんのデスクトップPCは、3DCGへの挑戦を決めた2018年3月に約22万円で購入したもの。6コアCPUの「インテル Core i7-7800X プロセッサー」やGPUの「NVIDIA Quadro P2000」などは購入時のままだが、当時としてもなかなか高性能なパーツが選ばれている。また、メモリが64GBにアップグレードされているほか、ストレージも複数のSSD+HDDに強化されている。
DAIV 5N
- 価格
- 19万7780円(税込)
- OS
- Windows 10 Home 64ビット
- CPU
- インテル Core i7-10870H プロセッサー(8コア / 16スレッド / 2.2GHz /ターボブースト利用時5.0GHz / キャッシュ16MB)
- GPU
- GeForce RTX 3060 Laptop GPU
- メモリ
- 16GB
- ストレージ
- 512GB(M.2 SSD、NVMe対応)
- ディスプレイ
- 15.6型WQHDノングレア(LEDバックライト)
- 無線
- インテルWi-Fi 6 AX201(最大2.4Gbps/ IEEE802.11ax/ac/a/b/g/n)+Bluetooth 5モジュール内蔵
- 動作時間
- 約7.5時間(標準バッテリー使用時最大)
- 本体重量
- 約1.73kg
鄒 沛樺さんの現行機(デスクトップPC)
- 価格
- 約22万円
- OS
- Windows 10 Home 64ビット
- CPU
- インテル Core i7-7800X プロセッサー(6コア / 12スレッド / 3.5GHz /ターボブースト利用時4.0GHz / キャッシュ8.25MB)
- GPU
- NVIDIA Quadro P2000
- メモリ
- 64GB
- ストレージ
- 256GB(M.2 SSD、NVMe対応)+1TB(M.2 SSD、NVMe対応)+1TB HDD
CASE 01
V-Ray 5でのCPUレンダリング時間
V-Ray 5の検証では、『THE SPARK : BLACK WOLF』のデータの一部を使用し、CPUレンダリングにおいてレンダリング解像度が2Kと4Kの2パターンで処理時間を計測した。テストシーンの情報は頂点が53751、エッジが107258、フェースが53516、三角形が107032、UVが55130、XGenが15万本、テクスチャが8K(複数)となる。
検証結果では、DAIV 5Nが2Kで6分9秒、4Kで16分9秒、現行機が2Kで3分37秒、4Kで16分9秒となりDAIV 5Nに大きな差を付けて勝利することとなった。DAIV 5N搭載のCPUは8コア16スレッドと6コアの現行機のマシンよりも高性能だが、メモリ16GBであるために、パフォーマンスを最大限引き出すことができなかったと類推される。DAIV 5Nは最大64GBまでカスタマイズ可能なので、ハイエンドCG向けには最低でも32GB、できれば64GBまでメモリ増量したほうがよいだろう。
V-Ray 5でのCPUレンダリング時間の結果
- 現行機
- 2K:3分37秒 4K:16分9秒
- DAIV 5N
- 2K:6分9秒 4K:28分23秒
CASE 02
Substance Painterでのベイク処理時間
Substance Painterの検証では、『THE SPARK : BLACK WOLF』の制作工程のデータを使用し、ベイク処理に要する時間を測定した。テストシーンの情報はポリゴン数が6,154mil>6,054、Resolution.が4K、Subsample.が4×4、UDIM.が2枚UV、Map.が14枚(7×2)となる。
Substance Painterのベイク処理はGPUの性能が反映されるため、検証結果も最新のGeForce RTX 3060 Laptop GPUを搭載するDAIV 5Nが現行機を圧倒した。ただ、現行機の25分15秒に対してDAIV 5Nは3分5秒と、デスクトップPCとノートPCで約8倍もの性能差が出たことは鄒さんも想定外だったようだ。さらに、Substance Painterのペイント作業においても「4Kテクスチャでもスムーズに作業できた」(鄒さん)ことから、ノートPCとは思えないその実力の高さに感心しきりだった。
Substance Painterでのベイク処理時間の結果
- 現行機
- 25分15秒
- DAIV 5N
- 3分5秒
CASE 03
その他のツールでの使い勝手の検証
V-Ray 5やSubstance Painter以外のツールにおける作業の快適性も、『THE SPARK : BLACK WOLF』の制作工程に基づいて検証した。
Marvelous Designerの作業では、現行機とそん色なく「普通に利用できた」(鄒さん)とのこと。Particle Distanceの設定を5mmまで上げると10~15秒程度止まることもあったが、20mmの軽い設定であれば「ほとんど止まることなく、スムーズに作業できた」(鄒さん)そうだ。
MARIでは、Texturing xyzで販売されている16Kの高品質なテクスチャを使用したところ、最初こそ少しだけ固まるタイミングもあったが、その後は「スムーズにペイントできた」(鄒さん)。またZBrushのスカルプトにおいても、ポリゴン数が600万でもまったく問題なく「すべての作業が快適にできた」(鄒さん)という。
検証を終えて
ネガティブだったノートPCの印象が一新
価格も踏まえて学生には魅力的なモデル
今回の検証を通じて、DAIV 5Nは現行機のデスクトップPCとほぼそん色ない性能を持っているだけでなく、非常に優れたGPU性能を有していることがわかった。一方で、V-Ray 5の検証ではCPUの性能を存分に発揮することはできなかったが、メモリを32GBや64GBの増設すれば、現行機に迫る性能が引き出せる可能性もある。その意味では、パーツのアップグレード次第でさらに利便性が向上するモデルといえるだろう。
ちなみに、鄒さんは大学の入学当初、3Dを勉強するためにノートPCを購入したものの、MARIやSubstance Painterなどのツールがまともに動作しなかったうえに筐体が重かったことから、ノートPCには「あまり良い印象がなかった」という。しかし今回、快適動作かつ軽量なDAIV 5Nに触れたことで、その印象は「一新された」そうだ。
そのため、20万円を切る価格も踏まえると、ノートPCを頻繁に持ち運ぶ学生にとってはDAIV 5Nは「とても魅力的なモデルになるはず」と、鄒さんはお勧めする。またそうでない学生でも、学校の先生などから随時アドバイスをもらいたいと思っているのであれば、DAIV 5Nなら「場所を選ばず作品を見てもらえる」とその活用法をアドバイスした。
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