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第2回:メッシュ機能と、3種類のコンストレイント機能(前編)

第2回:メッシュ機能と、3種類のコンストレイント機能(前編)

歩きや走りのアニメーションに必須の[IKコンストレイント]

Spineには3つのコンストレイント機能があります。その中でも[IKコンストレイント]は、ほとんどのSpineユーザーが使う機能と言っていいでしょう。今回は[IKコンストレイント]の代表的な使用例である、モンスターの脚部への組み込みを通して、基本的な使い方と機能を説明します。


まずは大腿と下腿のボーンを選択し【上図内A】、[Hierarchy]の下部にある新規ボタンから[IKコンストレイント]を選択します【上図内B】。


ターゲットを選択するモードになったら、下腿のボーンの先端あたりをクリックし、[IKコンストレイント]のターゲット用のボーンを作成する位置を指定します【上図内A】。表示されたダイアログに、新規に作成するコンストレイントの名前を入力すると【上図内B】、[Hierarchy]の[コンストレイント]グループ内に、入力した名前の[IKコンストレイント]が作成されていることが確認できます。ここでは[IK_legOuter]という名前を入力しました。


次に、足にも[IKコンストレイント]を設定します【上図内A】。先程は2本のボーンを選択しましたが、今回は足のボーン1本だけを選択し、同じ手順で足のボーンの先端あたりをクリックし、[IKコンストレイント]を作成します。ここでは[IK_footOuter]という名前を入力しました。 ここまでで、2つの[IKコンストレイント]の設定が完了しました。[Hierarchy]を見ると、作成した[IKコンストレイント]と同じ名前のボーンが2つ、[root]ボーンの直下に自動生成されているのが確認できます。これは先程クリックしたボーンの先端に作成された、[IKコンストレイント]のターゲット用のボーンです。[IKコンストレイント]を設定したボーンの先端は、必ずこのターゲット用のボーンの方向を向くようになります【上図内B】。ここで大腿と下腿の[IKコンストレイント]のボーン[IK_legOuter]を、足の[IKコンストレイント]のボーン[IK_footOuter]の直下に移動させます【上図内C】。


反対側の脚(大腿・下腿・足)にも同じように[IKコンストレイント]を設定したら、腰のボーンを選択して、[トランスレート]ツールで上下に動かしてみましょう。先程自動生成された2つのボーンに下腿のボーンが接触した瞬間、【右図】のように自動的に膝が曲がることが確認できます。逆に足の[IKコンストレイント]のボーンを動かしても膝が曲がるようになっているので、このしくみを利用すると、歩きや走りのアニメーションを付けやすくなります。


[IKコンストレイント]は、いくつかの設定項目により挙動を変更できます。大腿と下腿のような2本のボーンの場合と【上図】、足のような1本のボーンの場合とでは【下図】、設定できる項目がちがいます。 [親][子][ターゲット]に表示されているボーンの名前をクリックすると、それぞれのボーンを選択できます。【上図】の2本のボーンの場合にのみ設定できる[正]では、2本のボーンが自動的に曲がる方向を変更できます。[ソフトネス]はSpine 3.8で追加された機能で、登録したボーンがターゲット用のボーンに接触する際のやわらかさを制御できます。【下図】の1本のボーンの場合にのみ設定できる[圧縮]は、後述する[ストレッチ]の挙動とは逆に、ボーンが縮小するようになります。[統一]では、通常はY軸(縦)方向にしか自動伸縮しないボーンが、X軸(横)方向にも連動して伸縮するようになります。


共通項目である[ストレッチ]のチェックボックスを選択すると、ターゲット用のボーンから対象のボーンが離れた場合に、その分だけボーンとパーツが伸びるようになります【下図】。前述したように、2本のボーンを用いている場合は、ボーンの縮小ができないので注意が必要です。同じく共通項目である[ミックス]では、[IKコンストレイント]で自動的に制御されるボーンの動きを、どれだけ正確にトレースさせるかを0~100までの値で指定できます。各設定項目は、アニメーション中にいつでも変更可能なので、様々な動きを実現できます。


今回はメッシュ機能と、[IKコンストレイント]の基本的な使い方を説明しました。この2つの機能を使うだけでも、格段に表現の幅を広げることができるので、ぜひ活用してください。次回は3つのコンストレイント機能のうちの、残る2つの機能、[パス・コンストレイント]と[トランスフォーム・コンストレイント]について、作例を使って説明していきます。



第3回の公開は、2019年10月を予定しております。

プロフィール

  • 柴田章成

    HERMIT WORKS所属のデザイナー・アニメーター・テクニカルディレクター。3度の飯よりリグが好き。
    Twitter:@AkinariShibata

  • HERMIT WORKS

    主にアートディレクターで構成されたデザイナー集団。ハイクオリティなデータ制作でゲーム開発をサポートしています。本記事やSpine、そのほかのツールに関するお問い合わせは、下記メールアドレスまでお送りください。
    shibata.hermitworks@gmail.com
    hermitworks.jp

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