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デジタルコンテンツ業界を目指す多くの学生が訪れた『CGWORLD Entry Live vol.3』をレポート

デジタルコンテンツ業界を目指す多くの学生が訪れた『CGWORLD Entry Live vol.3』をレポート

YAMATOWORKS式アニメーション術

金本 真 氏(合同会社YAMATOWORKS / CGIディレクター)

セルタッチのCG作品が増えているアニメ業界。アニメ「牙狼〈GARO〉-炎の刻印-」に制作参加したYAMATOWORKSも、そうした手法を得意とするスタジオの一つだ。もっとも、そのやり方は会社によってさまざま。金本氏はLightwave 3Dを用いた同社の制作スタイルについて、実際にデモを行いながら紹介した。

金本氏はLightwave 3Dを「作りがシンプルでアニメーターでも手軽に使える」と評価。実際の作業もキャラクターのキーとなる動きを原画として描き、その間を動画で中割していく手描きアニメーションの作業手順に準拠している。Lightwave 3Dでの作業が終わると、After Effectsでコンポジットし、動きの微修正が行われて完成となる。

キャラクターの動きはIKではなくFKのみで設定し、カメラビューで見た映像のみを注視して、何度もチェックを繰り返しながら一つひとつ手でつけていく。金本氏は「ツールで中割りされたヌルヌルした動きをもとに、いかにアニメータが一枚ずつ絵を修正しながら、手描きアニメらしい印象的な動きに変えていけるかがすべて」と説明していた。

「フォトリアルCGのすゝめ」

山内 太 氏(株式会社家元 slanted / Director)

文系大学を卒業後、宝石商として働くかたわら、専門学校でCGツールの使い方を学んでCGアーティストになった山内氏。セッションはまず「自分のような経歴でも立派に業界で働けます」と学生を鼓舞するところからスタートした。

仕事の大半が自動車関連で、実写素材をベースにフォトリアルなCGを組み合わせてムービーに仕上げる例が多いという山内氏。一番重要なことは「対象物を徹底的に観察し、その上でCGとして再現すること」だと指摘した。観察では資料を収拾するだけでなく、可能なら自分で写真を撮影することも大事で、もしデジタル一眼レフカメラを所有していなければ、すぐに購入するべきだともアドバイスした。

また静止画では実力がわかりにくいので、応募時にはポートフォリオよりもデモリールを作る方がいいとコメント。その際も長編ストーリーなどより、実写とCGが組み合わさった10秒程度の映像をたくさん作って送る方が効果的だと解説されていた。


クリック一つでエントリーシートが送れる昨今の就活事情。しかし、1人で数百社にエントリーしてしまうなど、学生がネットの利便性に振り回されがちなのも事実だ。そうした中で今回のようなイベントに参加すると、企業の採用担当者やクリエイターのリアルな声を聞くことができ、ネットや学校の求人票では得られない生きた情報が得られるメリットがある。今後もぜひこうした機会を活かしてほしい。

TEXT_小野憲史
PHOTO_弘田充

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