Column.UVを正しく展開することの重要性を理解しよう
今回はUV作業を中心とした支援ツールを紹介しましたが、このUV展開を軽視すると、プロダクションフローにおいて様々なデメリットが発生します。特に大きな問題としては、UV座標を使用したポストエフェクトでの不具合などです。アセットをつくる側ではビューティパスさえレンダリングされれば問題ないと考える方も多いと思います。しかし、VFXやポストエフェクトの処理にUV座標が使用されることは時折あります。そうしたときに、UVが正しく展開できていないと、ポストエフェクト処理ができない場合もあります。
画像Aは左端が正常なUV展開、それ以外はUV展開に何かしら不具合をもった状態でのビューティとUVパス、UV展開の比較です。正常にUV展開されたジオメトリ以外はUVパスが正しくレンダリングされていないことがわかると思います。
またUV作業は多大な労力と時間を必要としますが、その反面、UVを正しく展開・レイアウトすることで得られるメリットも非常に大きいです。MARIやSubstance Designer/Painter、QuixelなどのテクスチャペイントソフトはUVを正しく展開しないと機能しません。逆に言うと正しく展開さえできていれば、テクスチャペイントや修正にかかる工数を大幅に削減できます。さらに、テクスチャやオクルージョンをベイクする際にもUVを正しく展開する必要があります。UV作業には多大な労力が必要ですが、今回、筆者が紹介したようなツールを使用することでその労力を大きく削減できるのです。
UVを正しく展開できれば、ポストエフェクトの際に迷惑をかけることもありません。皆さんも今回紹介したUV支援ツールを使用して、正しいUV展開・レイアウトを心がけてください。
正しく展開されたUVと不具合のあるUV展開時のレンダリング比較
MARIやSubstance、Quixelの各ツールに代表されるテクスチャペイントソフトは、UVが正しく展開されていないと機能しません