>   >  アートディレクタブルなアセット制御のしくみをプロジーシャルに構築する<1> ~モニュメント・バレー~
アートディレクタブルなアセット制御のしくみをプロジーシャルに構築する<1> ~モニュメント・バレー~

アートディレクタブルなアセット制御のしくみをプロジーシャルに構築する<1> ~モニュメント・バレー~

STEP 2:風化による浸食の表現

続けて、上部を構成するオブジェクトに対して、長年にわたる風化によって浸食されたようなノイズ処理を施すことで質感を高めます。

【1】雨でなどで浸食されような縦長のノイズを適用します。ノード「moutain_slit」にて、根本部分に上からの重みによって崩れたような細かいノイズをWrangleで追加します。

【2】手順【1】のノードツリー中にある「noise_terrasse_bottom」でBoundingBoxをマスクに使用することにより、全体の形状が変化しても根本部分に常に同様のディテールが加えられます。

【3】さらにノイズのサイズとタイプちがいのMountain SOPを2回使用して、ディテールを追加します。

【4-1】全てのMountain SOPの前にAttribute Transferで先ほど作成したスムースな法線を転送しています。

【4-2】最後のpointvop(ノード「pointvop_worleyNoise」)により、worleyを追加します。ノイズが全体に均一に当たらないよう、Worleyノイズを別のノイズで強度をコントロールしています。以上で、上部の完成です。



STEP 3:土台の作成

土台部分を作成します。大きくは「土台のサーフェス」と「表面に散らす小岩」という2つのしくみを構築していきます。

【1】土台部分を表現するノードツリーです。大きくは以下の2つのしくみで構成されています。
1.土台のサーフェス。地形制作に向いた新機能HeightFieldを使用
2.表面に散らばせた小さな岩。1を作成した際にできたアトリビュートを利用

【2】まずは土台のベースとなる部分を円柱から作成します。上側部分のみRay SOPで一番最初に作成したシルエットを決めるジオメトリに貼り付けます。こうすることで上部の形状が変わっても土台の部分も自動的に変更されます。

【3】ノード「heightfield_project1」にて、HeightField Project SOPで空のHeightFieldをこの土台と同様の形状に作成できます。その上でHeight Field Distortでディテールを加えます。

【4】さらにHeightField Noiseで大きなうねりを加えます。

【5】HeightFieldの特別な機能として、時間経過による高速なErodeシミュレーション「HeightField Erode」が実装されています。これにより雨などで地形が浸食されていく様子をリアルに再現できます。5フレーム目で良い結果が得られたので、ノード「timeshift1」で止めます。これで土台のベースとなる部分は完成です。HeightFieldをConvert HeightFieldでPolygon Soupに変換します。

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STEP 4:地表に岩を配置する

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