セル調とCGルックのハイブリッドとなった最終的な影表現
1号影、2号影、さらにアップではタッチが入るなど、情報量の多い最終的なルック。顔と首から下の影のバランスもとれている
通常、女性は老けて見えるためにあまりシワや影を入れないが、涙袋や眉間に影を入れることで情報量を増やした。結果、女性の艶っぽさが出でている。「拳志郎と並べたときに同じ世界観にいるルックにできました」(中尾氏)
肌と髪はセル調のパッキリとした影になっているが、服はCGらしいシェーディングのグラデーションがある質感となった。明るい部分(白で囲んだ部分)は衣装の模様がはっきり出て、影色ではあまり見えないという差もCGならではの表現だ
霞拳志郎の全身
潘玉玲の全身
漫画のタッチをアニメに採り入れる
特定のキャラクターは2段階のシワ表現用テクスチャが作成された。いくつかのパターンが検討され、最終的に【画像右下】のようなタッチに落ち着いた
ほぼ全キャラクター共通で制作された、バトル時などの傷表現。テクスチャだけを見ても、筋肉の隆起が想像できる
PPIシェーダによる画づくり
完成画。「本作では、色が決まりきる前にテクスチャや特殊効果を入れた状態で色彩設計さんに渡しています。特殊なやり方ですね」(中尾氏)
NUKEによる画づくり
キャラクターの素材は29種類と非常に多く、腕の筋肉などのパーツごとの素材も出され、それらをNUKEのコンポジットで調整して画づくりを行なっている。素材は多いが、調整しやすいように構成されているとのこと
色指定の協力会社にもNUKEを導入してもらい、NUKE内のスライダーで色を調整する。【画像上左】はレンダリング後で【画像上右】は色指定済み。最後にエフェクトを加えて、さらに色味を調整して完成だ【画像下】