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VRChatを用いてVR空間で開催される展示即売会「バーチャルマーケット」の魅力に迫る

VRChatを用いてVR空間で開催される展示即売会「バーチャルマーケット」の魅力に迫る

Vケットにおける制限

フィオ:前回は高性能のPCじゃないと重すぎて、歩くのも精一杯になってしまいました。今回は快適に遊んでもらうために、出展者側の規定がかなりあります。ブースのマテリアル数を10個以下に、アップロードした際のサイズを10MB未満に抑えてくださいとか。ブースは4×3×5mのサイズ制限を設けて、その中だったら何をしてもいいことにしました。その制限の中で、いかに自分を表現して世界観を伝えるかが腕の見せどころですね。板の上にアバターを置くシンプルな出展もあれば、フリマみたいにゴザの上にアバターを置いたり、5mの高さを活かして2階建てにしたり、様々なブースがあります。

水菜:アバターにも制約があります。ポリゴンは7万までで、Skinned Mesh Rendererは3以下、マテリアル数は10以下、Dynamic Boneという揺れものが影響するTransform数は50以下、衝突判定が入るDynamic Bone Colliderが2以下という規定です。ある出展者の方が、制約が通っているかのチェックツールを自主的にUnity上でつくっていてびっくりしました。このようなことは、バーチャルマーケットをみんなが大切にしているからこそだと思います。コミックマーケットもみんなでつくっていって、大きなイベントになりましたが、はじめはこんな感じだったのかな、と。

CGW:Vケットへの一般参加の方法を教えてください。

水菜:まず、SteamなどからVRChatをインストールします。デスクトップモードを使えば、HMDはなくても大丈夫ですよ。VRChatに入るとワールド選択があって、「VirtualMarket」で検索したらVケットのエントランスが出てきますので、行ってみてください。そこから各会場に行けるしくみになっています。

フィオ:見に来るだけだったら無料なので、とにかくまずは見に来てください。

水菜:アバターを実際に手に入れるには、ブースに貼ってあるQRコードを読み込んでBOOTHで支払いをするなどします。アバターをもつと没入感が増すので、初期アバターでVケットに参加したら、次はVケットで見つけた好きなアバターに着替えて参加すると、VRChatにハマると思います。

フィオ:VRChatは世界中の人がいるので、先にTwitterとかでVRChatをしている友だちを探したり、「VRChat始めました」と呟いたりして、友だちをつくっておくのが楽しむコツです。

CGW:モデリングはどのようなツールを使われていますか?

フィオ:ツールは何でもOKです。多いのはBlender、次がMetasequoiaで、Mayaを使っている方もいますね。VRoid Studioでテクスチャを描いて出展されている方もいます。Blenderとか頂点を動かさないといけないツールとちがい、絵を描く感覚で3Dモデルがつくれるので、VRoid Studioは今後増えていくんじゃないでしょうか。

水菜:モデリングはどんなツールでもいいですが、Unityにインポートしないといけないので、Unityは必須です。

フィオ:VRChatはUnityのコンポーネントを全部使えるので、その組み合わせでギミックをつくることも多いです。VR上で顔のブレンドシェイプが壊れることがあるので、私は自分の顔を常に写しておくことでリセットのタイミングがわかる、手鏡みたいな「KawaiiCamera」というカメラを売っています。

Vケット 2の会場



  • 全ての会場につながるエントランスは、大空を泳ぐ巨大なクジラがモチーフとなっており、企業ブースが並び、各会場へのポータルが設置されている。Vケット 2では6つの会場が新設され、それぞれの会場に対応するジャンルがあるので、出展者は自分のブースに合った会場に出展する。その会場とジャンルは次の通り


  • バーチャルミュージアム×ノンジャンル



  • Future Terminal×サイバーパンク


  • 異世界マルシェ×中世・ファンタジー



  • モクリバザール×自然・カワイイ


  • 絢爛博覧会×和風・スチームパンク。様々な世界が広がり、3日間でまわりきれないほどのボリュームだ

VRの可能性

CGW:最後に、VRの可能性や魅力を教えてください。

フィオ:Vケット 2のテーマは「未来にログインしよう」ですが、すでにVRChatの世界で生活している人はたくさんいます。例えばHMDをかぶって暗いワールドで友だちと一緒に寝る「VR睡眠」があったり、性別を問わずにずっと一緒にいたい人と指輪の交換をしてパートナーになったり。小説や漫画、映画で描かれていた世界が、現実のものになりつつあるんです。Vケットを通じて、未来の一端を感じていただきたいですね。

水菜:VRの魅力は、リアルより素直になりやすいところかも。素直になれるからこそ、大切な人ができてパートナーになることもあるんだと思います。人間って基本的に寂しがりだけど、それを出せない人はたくさんいます。VR空間上はそれを素直に出せるので、リアルではネガティブだけどVRを通じて元気になるとか、そういう人が結構いるんです。VRをやっていない人たちに、VRは楽しい世界だと知ってもらいたいですね。

舟越:VRには、あらゆる可能性があると思っています。例えば、VRの中で身体能力のハンデがないスポーツ大会を開催したり、バク宙の経験を売ったりすることもできると思います。今後はVRを知らない人にも影響を与えるような、サービスやものに発展していくのではないでしょうか。

Vケットは営利的ではなく、楽しむという側面が強いイベントだ。今後ますます発展していくVRの技術と歩調を合わせ、Vケットも進化していくだろう。今回のインタビューでは主催者側がVRという世界に希望と喜びをもって、情熱的に運営していることが印象的だった。興味がある方はぜひ、気軽に参加していただきたい。きっと新しい世界が広がることだろう。

出展ブース

ブースは4×3×5mの中であれば、どのような表現も可能だ。高さを利用して壁面を有効に使ったり、2階建てにしたり、立体的に設計すると良いそうだ(フィオ氏談)。アバターの横にはQRコードが表示され、BOOTHなどの販売サイトへつながっており、そこで購入することができる。画像のブースのサークル名&出店者名は以下の通り(敬称略)

企業の出展

Vケット 2では15社(取材時)の企業の協賛が決まっており、VRへの注目の高さが窺える。協賛企業のブースはエントランスに並び、個人ブースより大きく見ごたえ十分だ。各社趣向を凝らしているのも楽しみな点である。画像はGugenka®のブース。『コードギアス』ほか、人気アニメのデジタルフィギュアが並ぶ
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