>   >  ガリベンガーV オリジナルVTuber「ブイ子」VRoidメイキング大解説! TV番組『超人女子戦士 ガリベンガーV』
ガリベンガーV オリジナルVTuber「ブイ子」VRoidメイキング大解説! TV番組『超人女子戦士 ガリベンガーV』

ガリベンガーV オリジナルVTuber「ブイ子」VRoidメイキング大解説! TV番組『超人女子戦士 ガリベンガーV』

<3>素材&インフラとしてのVRoid。広がる展開可能性

VRoidモデルの素材力と、プラットフォームの展開力

VRoidは「3Dモデルを作って完成」ではなく、その先のコンテンツ開発を意識して設計されていることも重要なポイントだ。VRoid Studioは衣装なしの「素体」のみのVRMエクスポートが可能なため、2019年12月に渋谷で開催された『ガリベンガーV未来展』で展示されたMRグラス・NrealLight用コンテンツの『バーチャルランウェイ』では、①ブイ子の「素体」をエクスポート、②CLOで衣装をモデリング、③Blenderでアニメーションを追加、④Unityで演出やインタラクションを制作して開発された。VRoidの素体は造形クオリティが非常に高く、パラメータで身長や体型をボーンごと簡単に調整できるため、他の3Dモデリングツールで使う「人型モデルの素材」としても活用しやすい。またVRoid Studioには簡単なポージング&撮影機能もあり、モデルの出来映えを確認する用途だけでなく、背景画像の上にキャラを配置したポートレート作品を手軽に制作することも可能だ。この機能を活用した合成グラビアを通して、番組スタッフとして「現実世界に存在する」ブイ子の世界観は表現されている。まるで漫画のひとコマのような合成作品を大量に生み出す撮影機能のポテンシャルと、それを支えるVRoid Studioの扱いやすさは、ブイ子公式Instagram(@vko_garibenv)に100件以上の投稿があることからも明らかである。

VRoidには、アバターカメラアプリ「VRoidモバイル」、キャラクターを投稿・共有できる「VRoidHub」など、3Dキャラクターモデルにまつわるあらゆるサービスが存在する。ブイ子の3Dモデル(VRMデータ)もVRoid Hub上で一般公開されており、ファンが連携カメラアプリでAR写真を撮影できる。合わせて番組公式サイトでVRoid Hubにアップされた3Dモデルについての内容を盛り込んだ「ブイ子のファン作品ガイドライン」を公開することで、ファンが安心してファン創作を楽しめる世界を提供。IPの人気拡大にファン創作の存在が欠かせない現在、こういった施策は一般的なものになるだろう。プラットフォームとしてのVRoidの成長と連携サービスの増加に伴い、ブイ子の活躍場所と新たなコンテンツが生まれる可能性は広がっていく。『ガリベンガーV』は、ひき続きVRoidの活用を通してリアルとバーチャルをつなぐ新しい可能性を追求し、みなさんにわくわくを届けられるよう尽力してゆきたい。本稿の最後は、われらが水木一郎アニキのナレーションで締めくくろう。

負けるなブイ子! がんばれブイ子! ひらめけ! ときめけ!  超人女子戦士 ガリベンガーV!

VRoid素体に衣装やインタラクションを実装した「バーチャルランウェイ」   

CLOで衣装モデリング

Blender&Unityでインタラクション制作

NrealLightで鑑賞可能なランウェイが完成。このランウェイのためにデザインされた10着の衣装は、音に合わせて色や形状が変わったり、衣装そのものが透明になるなど、新しいファッション表現としてインタラクションが実装されている。映像はYouTube【下】でも鑑賞可能

VRoid Studioの撮影機能による「写真合成グラビア」   

撮影機能では髪を揺らす「風」を吹かすことができる

ブルーム・カラグレなど基本ポストエフェクトを追加

キャラクター表現を研究する東京工業大学長谷川晶一研究室の助手になったブイ子と研究員たちのアットホームな日常写真だ。企画のキービジュアルとしての活用はもちろん、SNSへの投稿ネタが気軽に作成できることもVRoidのメリット

フラットなプラットフォームとしてのVRoidの展開力  

VRoid Studioで制作した3Dモデルデータ(VRM)は、ユーザーに配布したり(VRoid Hub)、AR撮影をしたり(VRoidモバイル)、企業・個人問わず連携しているアプリ・サービス上で利用することが可能(VRoid SDK)。1体の3Dキャラクターを軸に無限の可能性が広がる。これらの機能を活用した上で、ファン創作を安全に促進するためのガイドラインについては、番組公式サイト「ブイ子ファン作品ガイドライン」で確認できる(www.tv-asahi.co.jp/garibenv/contents/vko_guide



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