>   >  スマホ&PC用ゲーム『N.E.O』の動物メカ表現。解剖学的に正確だとしても意図した印象になるとは限らない
スマホ&PC用ゲーム『N.E.O』の動物メカ表現。解剖学的に正確だとしても意図した印象になるとは限らない

スマホ&PC用ゲーム『N.E.O』の動物メカ表現。解剖学的に正確だとしても意図した印象になるとは限らない

フェイシャルに制限がある中で、メカ特有の切なさを表現

▲メカ系のペットは、目の部分をモニタにして感情表現を行うことがよくあります。チョビの場合も、この方法を使いました。チョビは目以外のフェイシャルアニメーションができない仕様で、口は開きません。このような制限の中で、目のモニタによる感情表現に、犬らしい仕草や喜怒哀楽のSEを組み合わせた結果、メカ特有の切なさを表現できたのではないかと思います

板ポリゴンの前後移動によるシンプルな感情表現

▲前述したように、チョビの感情は目のモニタを使って表現しました。Normal、Smile、Close、Surprisedからなる4種類の板ポリゴンを用意し、それらの位置を前後移動させることで表情を切り替えるしくみにしています。本作はスマホでもプレイできるようにする必要があったので、なるべくシンプルな仕様に収める必要がありました。チョビに限らず、本作の動物はどれも生身ではなくメカなので、必要最低限のシンプルな表現へと割り切ることができました。このシンプルな表現と、メカらしいデザインが組み合わさることで、「生身の動物ではない」印象を強めることができたと思います

廃材のような鉄板を何層にも重ね、筋肉や羽根のボリュームを再現

本作では「メカであること」よりも、「生身ではないこと」の表現に重きを置いたので、機械特有の関節構造や動力源などはあえて曖昧にして、外装の表現の方にこだわりました。例えば、廃材のような鉄板を何層にも重ねることで筋肉や羽根のボリュームを再現しつつ、生身ではない冷たさも表現しています。関節や可動部分は「未来素材」と名づけた半透明で柔軟な素材を使用している設定なので、リギングやアニメーションは生身の動物と同じ挙動を意識しており、メカ特有の重さなどはあえて表現していません。

複数のジョイントとIKで後肢にある4つの関節を制御

▲本作には、チョビ以外にも、多くの四足歩行の動物メカが登場します。四足歩行の動物は、その多くが指骨で立っており、歩行時には手根骨(手首)や足根骨(足首)が地面より高い位置にあります。後肢の場合、制御が必要な関節は股関節・膝関節・足首関節・指関節の4つで、これらをひとつのIKで制御するのは難しいため、複数のジョイントとIKを設定し、大腿骨の動きを半自動化することでアニメーターの負担を軽減しています。なお、このリグを組むにあたり、コロッサスさんの記事を参考にさせていただきました


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モジュラーリグの簡易版で多彩な関節構造に対応

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